「脱原発」を掲げながら惨敗した2月の都知事選から2カ月余り。小泉純一郎(72)、細川護熙(76)の元首相コンビが脱原発を掲げて社団法人を立ち上げる。安倍政権の原発推進路線に対抗し、各地の地方選で脱原発候補の支援も視野に入れるが、こうした勢力を結集できるかは難しい面もある。▼1面参照   「原発に依存しない地域づくりを支援したい」。細川氏は14日、朝日新聞の取材に語った。 安倍内閣は11日に閣議決定したエネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけた。原発回帰を強める政権の動きに対し、小泉、細川両元首相は都知事選後も数回会談して脱原発を求める世論は根強いと判断。これを後押しする動きが必要だという認識を共有した。 「原発ゼロ」と「再稼働反対」で一致した元首相コンビが当面の節目とみるのが、今夏にも想定される九州電力川内原発鹿児島県)の再稼働と、事故を起こした東京電力福島第一原発があり、11月に現職が任期満了を迎える福島県の知事選だ。 川内原発原子力規制委員会での審査が最も早く進み、安倍政権で最初に再稼働すると目される。一方で、避難計画の整備や火山灰対策など再稼働への課題は数多い。細川氏らは地元でタウンミーティングを開いたりし、世論に一石を投じる考えだ。 また、福島県知事選では、自民党福島県連が独自候補を擁立する方針のため、両氏は「独自候補を立てるか、脱原発を公約する候補を支援したい」(細川氏周辺)としている。安倍政権が態度をあいまいにしている福島第二原発廃炉問題も争点に据える考えだ。 一方、都知事選では、共産、社民両党の推薦を受けた宇都宮健児氏と細川氏が脱原発票を二分し、脱原発を掲げる政治勢力を結集できなかった。両氏とも首相を退いてから時間が経ち、「もはや求心力はない」(自民党幹部)との指摘もある。脱原発の世論をどこまで喚起できるかが課題になる。 (関根慎一)
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