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 これが、首相がいう「深化した日米同盟」の姿なのか。

沖縄県東村(ひがしそん)高江で炎上した米軍ヘリコプターの同型機が、事故原因不明のまま、わずか1週間で飛行を再開した。

「安全が確認されるまで停止が必要」と唱えていた小野寺五典防衛相は、その意向を米軍に完全に無視され、「遺憾だ」と述べるだけだ。政府の無力と無責任ぶりが、際立つ。

飛行再開の4日後に行われた衆院選では、県内の四つの小選挙区のうち三つで野党系候補が当選。比例区自民党得票率は22・4%と、全国平均を11ポイント近く下回り、最低となった。

民意を無視して政権が米軍普天間飛行場辺野古移設を進めてきたことに加え、事後対応を含む今回の事故への怒り、反発がもたらした結果といえる。

安全策が講じられなければ、いつまた事故があるともわからない。県議会や村議会の決議に続き、翁長雄志知事が高江地区周辺のヘリパッドのうち、住宅地に近い3カ所の使用中止を求めたのは当然だ。

この事故をめぐっても、「沖縄は依然として米軍の占領下にあるのか」と思わせるような光景が繰り広げられた。

炎上したヘリ機体の部品には放射性物質が使われ、飛散の恐れがあった。県や沖縄防衛局は調査しようとしたが、米軍は日本側を排除した。13年前に沖縄国際大にヘリが墜落した時と同じだ。昨年末のオスプレイ大破事故でも、日本の捜査当局は現場検証などができなかった。

今回、米軍は「放射性物質は回収した」といい、国や県の周辺調査でも、空間の放射線量などに異常はないという。だが炎上した土地の表土は、ヘリの残骸ともども、米軍がすべてはぎ取って持ち帰っている。

環境が汚染されていないかを主体的に調べるすべはなく、事故の当事者である米軍の言うことを信じるしかない。それが沖縄の、そして日本の現実だ。

沖縄県は先月、米軍施設の外でおきた事件・事故について、日本の当局者が遺留物を差し押さえたり、現場への出入りを主導権をもって統制したりできるよう、日米地位協定を見直すべきだと両国政府に要請した。

自民党は衆院選の公約に、「地位協定はあるべき姿を目指します」と書いた。「あるべき姿」とは何か。沖縄県のこの求めにどう対処するのか。すみやかに見解を示し、米側への働きかけを始めるべきだ。

米軍施設は各地にあり、米軍機は全国の空を飛んでいる。ひとり沖縄だけの問題ではない。

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