安倍晋三首相の施政方針演説に対する国会論戦が始まった。軸となるのは、改革、成長、格差というキーワードによる三重奏である。「改革断行国会」と意気込む安倍氏に野党は格差是正を迫り、その改革や成長戦略の実を疑う。

2007年の通常国会の光景を思い出す。当時、私は首相官邸担当だった。ときの政権は第1次安倍内閣。まだ52歳だった安倍氏は議場で、こんなふうに訴えていた。

日本が人口減少社会を迎える中で、国民が未来に夢や希望を持ち、より安心して生活できる基盤が社会保障制度。それを維持するためにも、生産性を向上させ、成長力を強くすることが必要だ――。

いまと似ている。あのときは春に統一地方選、夏に参院選があり、格差是正が争点となった。民主党の猛攻に押され、自民党参院選で大敗するという憂き目をみた。

今回はどうだろう。8年前と異なるのは、改革競争の色が強まったことだ。当時は小泉構造改革負の遺産として格差問題が論じられていたから、政権側は「改革」よりも「見直し」という言葉をよく使っていたのを覚えている。

今回、安倍氏は演説で「戦後以来の大改革」を唱え、遠慮なく「改革」を連呼。大胆な規制改革による成長戦略を実行することで世界の成長力を取り込むと訴え、「なすべきことは明らかだ。要は、やるか、やらないか」と、まなじりを決してみせた。

質疑も、三つのキーワードが絡み合う。格差是正を迫る民主党岡田克也代表は「民主党既得権と闘う未来志向の改革政党」と宣言。「安倍政権経済政策の最大の問題は、成長の果実をいかに分配するかという視点が欠落していることだ」と、税の再分配機能の強化を求めた。

維新の党の江田憲司代表は、成長戦略の矢が飛んでいないと批判した。さらに、「戦後の改革」は(1)戦争放棄(2)国民主権の確立(3)教育の民主化(4)農地解放(5)財閥解体――など、国のかたちを根底から変えるものだったと指摘。「残念ながら、総理の改革はとてもその域に達していない」と、「戦後以来の大改革」の本気度を問う。

改革や成長で得られた果実を、いかに弱者に回すのか。三重奏の論点を煎じ詰めれば、そこに尽きていく。

この8年の間に、人口減少はいっそうリアルな課題になった。国の借金は積もり積もって1千兆円超。アベノミクスによる株式市場の活況をよそに、なお問題解決のハードルが下がったとはいえない。

格差問題は深刻なままだ。子どもの貧困率は12年に過去最悪の16・3%を記録した。年収300万円以下の世帯は3割超。少ない収入で人生設計が描けず立ちすくむ若者や、コミュニティーが朽ちゆくなかで孤独を深めるお年寄りを、どう支えていくのか。

改革の矛先は人それぞれの生き方に向かう。今春には統一地方選、来夏には参院選がある。与野党が知恵を絞り、不安の芽を摘む具体的な政策をぶつけ合ってほしい。

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コメント:アベノミスは異次元緩和で少数・一時の投機マネーを株高に向かわせたが、お陰で庶民は為替下落で購買力低下・資産(日本売り・海外資産減価・資産海外流出・預貯金年金減価・生活必需品高騰など)・消費税高騰・大企業税低下・格差拡大・生活逼迫・貧困率増加・財政支出拡大赤字・軍事予算拡大・社会保障教育予算減少・テロ脅威危険拡大出費・労働条件報酬緊縮・社会生活将来不安・憲法人権教育無視・原発基地環境差別搾取破壊・権力強化棄民政策など不安・不満が強まるばかり。(貧困知らず・金権頼み・真理=因縁生起=倫理知らず・不落因果の野狐禅・虎の意を借る狐・平和主権権利無視・戦争権力独裁虎視)