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【声明】武器輸出三原則撤廃3年:武器輸出禁止を法制化せよ by limitlesslife
April 2, 2017, 12:14 pm
Filed under: 武器, 武器輸出三原則

東京の杉原浩司(武器輸出反対ネットワーク:NAJAT)です。連投すみま
せん。[転送・転載歓迎/重複失礼]

2014年4月1日の「武器輸出三原則」撤廃から丸3年になる本日4月1日、武
器輸出反対ネットワーク(NAJAT)として以下の声明を公表しました。ぜ
ひ、ご一読ください。また、広めていただけるとありがたいです。

これからも、武器輸出三原則の復活と強化、さらには法制化、そして、
世界の武器取引をやめさせていくために、力を尽くしていきたいと思いま
す。ご注目とご協力、ご支援をよろしくお願いします。

———————————

【声明】
武器輸出三原則撤廃から3年
戦争放棄と平和主義の原点に立ち返り、今こそ武器輸出禁止を法制化せよ

4月1日は誰もが無邪気な嘘・冗談をついていいというエイプリル・フー
ルの日です。
3年前のこの日を選んで、安倍政権は、日本国憲法第9条の平和主義の理
念を反映し、「国是」として定着してきた武器輸出三原則を撤廃しました。
代わって、「防衛装備移転三原則」なるものが閣議決定のみで策定され、
武器輸出は原則禁止から原則解禁へと大転換しました。

本気で武器輸出が平和構築につながると考えているのならば、閣僚たち
にとっては嘘でも冗談でもないでしょう。しかし、「安全保障」のためな
ら平和主義に反する武器輸出も積極的にやるべきだという根本的な政策転
換をこの日を選んで、国会や主権者を無視して行った行為は、憲法の理念
に対する倫理的なクーデターであったと言わざるを得ません。それはもは
や「無邪気な冗談」ではありません。

アフガニスタン、イラクで行われたアメリカ主導の「対テロ戦争」は次
々に新たな「テロと戦争」を産んでいます。長引く低強度戦争や「ホーム
グラウンド・テロ」は世界に拡大し、もはや収拾不能な状態になっていま
す。最初はアメリカの戦争に反対しながら、今や対テロ戦争に乗り出し、
海外への派兵や空爆を行う国々も出ています。シリアやイエメンを舞台に、
新興国を含む各国が利権を振りかざし軍事力を競い合っています。そこに
惜しみなく新型兵器が注ぎ込まれ、軍需産業は各国の国富を奪っているの
です。

世界は再び再軍備・軍拡の時代を迎えています。この時にあって、日本
政府は、そして市民や企業はどうあるべきでしょうか。戦争ビジネスの世
界に参入し、武器を世界に売ることで「安全保障やセキュリティを強化す
る」と強弁する「積極的平和主義」という倒錯した考え方を信じる道をこ
のまま歩んでいいのでしょうか。

武器は持っていれば済むものではなく、実戦で用いられることでその効
果が実証され、それがセールスに反映します。そして、使われた武器を修
理し補充することで、軍需産業は回転します。このサイクルに依存する企
業は、やがて軍需から抜け出せなくなり、武器の消費としての戦争を待望
するようになります。輸出を解禁してセールスを国が後押ししたり、予算
を組んで研究開発を促したりすれば、「軍産学複合体」が形成されて、
「戦争を欲する国」になっていくのです。

相手を上回る「技術的優越」をめざすという発想は、軍拡競争を促進す
るという悪循環に陥ります。その論理は核兵器の保有にまで行きつく恐れ
があります。また大学や研究機関は、予算を通して軍需に隷属し、奉仕す
る関係になっていくでしょう。
戦争を放棄し、紛争を武力で解決する考え方をやめたと宣言したはずの
この国が、そのような道を選択することに道義的な問題を感じないとした
ら、植民地主義と第二次世界大戦の犠牲から得た教訓はどうなってしまっ
たのでしょうか。

まだ民主主義と平和主義を宣言した憲法は健在です。ここが折り返し地
点です。
今こそ、世界に拡大する「テロと戦争」の影を阻み、これ以上被害者を
産み出さないように、軍需産業の縮小と武器取引の制限・禁止を進めるべ
き時です。そのために、日本はあの武器輸出禁止三原則をとり戻し、さら
に率先して武器輸出禁止を法制化すべきです。
私たちは、閣議決定3年のこの日に、思いを新たにして、訴えます。

2017年4月1日      武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)

東京都新宿区下宮比町3-12 明成ビル302 3.11市民プラザ

———————————
【武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)】
メール anti.arms.export@gmail.com
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〒162-0822 東京都新宿区下宮比町3-12明成ビル302 3・11市民プラザ気付
FAX 03-5225-7214 電話 090-6185-4407(杉原)

★NAJATへの賛同・カンパ募集中! ※正念場の2017年を乗り切るために。
個人賛同:1口 1000円 団体賛同:1口 3000円 (ともに複数口も歓迎!)
振込先 郵便振替口座 00140-4-486789
口座名称 武器輸出反対ネットワーク
他の金融機関からの送金先 ゆうちょ銀行 019店 当座 0486789

MLホームページ: http://www.freeml.com/abolition-japan



京都での武器輸出講演の動画&本日の『日刊ゲンダイ』にコメント掲載 by limitlesslife

東京の杉原浩司(武器輸出反対ネットワーク:NAJAT)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]

京都の内富一さんの投稿を転送します。3月25日に京都で行った武器輸出
や軍学共同に関する講演の動画がYouTubeにアップされています。1時間と
少しです。お時間のある時にご覧ください。

なお、本日4月1日(3日付)の『日刊ゲンダイ』に「共謀罪、GPS捜査立法
の恐怖社会」という2面全面記事があり、共謀罪に対する私のコメントも
掲載されています。コンビニやキオスクで手にとってみてください。

「森友問題の経緯を見て感じたのは、当初は教育方法などを評価する答弁
をしていた安倍政権が、一転して総力を挙げて森友を潰しにかかっている
恐ろしい姿です。こういう政権だからこそ、なおさら、共謀罪を成立させ
てはいけないのです。武器輸出解禁、安保法、自衛隊の海外派兵容認…と、
これまでの安倍政権の動きを見ていると、日中戦争の頃と似ています。政
権がフリーハンドを握るため、事前に市民の反対運動を抑え込む仕組みを
作ろうとしている。そういう思惑を感じます」

—————– 以下、転送 —————-

当日の動画です。参加できなかった方はこちらでご覧ください。約50名の
参加で軍学共同反対連絡会共同代表の池内了さんや宇宙軍拡反対で活動し
ておられる立命館大学の藤岡惇さんなど錚々たる参加者で活発な議論が展
開されました。

日本版「軍産学複合体」への急激な動きとそれに対抗する市民の側の「評
判(世評)戦略」(消費者や世間の評判を気にする企業や大学に対して
「死の商人」や「軍事協力」の実態を暴き出すことで、軍事協力や兵器生
産を躊躇させる市民運動側の戦略)などとても興味深いお話をお聞きでき
ました。ぜひご覧ください。

第13回左京フォーラム『「戦争を欲する国」でいいのか』
杉原浩司(NAJAT武器輸出反対ネットワーク代表)
https://youtu.be/DRoUEABtuyQ

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【第13回左京フォーラム】

「戦争を欲する国」でいいのか
~日本版「軍産学複合体」づくりを止めるために~

https://www.facebook.com/events/1005474182929668/

軍事費の増大と米国製武器の爆買い。武器の共同開発の進展や新たな武
器輸出案件の浮上。日本の民生技術を米軍の武器に活用する露骨な動き。
そして、科学技術政策や宇宙政策の軍事化の進行。さらには、税金を使っ
て大学などに軍事研究をさせるための予算案が110億円に激増し、軍事研究
にどう向き合うかを検討する日本学術会議の議論も大詰めを迎えています。

現在、日本は「軍産学複合体」形成のとば口に立っています。「戦争で
きる国」にとどまらず、「戦争を欲する国」になってしまえば、後戻りは
効かなくなります。武器輸出や軍学共同への反対運動を続けている杉原浩
司さんと一緒に、今何が起きているのか、市民にできることは何かを考え
たいと思います。

■日時:2017年3月25日(土)14:00~17:30(開場13:30)

■場所:京都教育文化センター3階
(京都大学医学部附属病院の南向かい。
最寄駅は京阪電車「神宮丸太町」駅、市バス「熊野神社前」下車)

■講師:杉原浩司さん(武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)代表)

<プロフィール>
1965年鳥取県生まれ。NAJAT代表。軍学共同反対連絡会、集団的自衛権問題
研究会などに参加。著書に『武器輸出大国ニッポンでいいのか』(共著、
あけび書房)。『宇宙開発戦争』(作品社)に「日本語版解説」を執筆。
NAJATブログ https://najat2016.wordpress.com/
個人ブログ http://kosugihara.exblog.jp/

【参考記事】
<毎日新聞大阪本社版にインタビュー記事が掲載されました!>
そこが聞きたい
防衛装備移転三原則 武器輸出反対ネットワーク代表・杉原浩司氏
(2017年3月16日、毎日新聞大阪本社版・朝刊) ※無料登録で読めます。
http://mainichi.jp/articles/20170316/ddn/004/070/048000c
こちらでも読めます。
http://kosugihara.exblog.jp/23728518/
<こちらはロングインタビューです>
「名前のない新聞」3・4月号
http://amanakuni.net/Namaenonai-shinbun/Namae198.html の巻頭インタビュー
武器輸出反対ネットワークをつくり市民の声を企業に届けようと活動している
杉原浩司さん
http://amanakuni.net/GraphicData/198sugihara.pdf

■特別報告:「自由と平和のための京大有志の会」より
「京都大学における軍学共同反対の取り組みー米軍資金による軍事研究を許さない」

■参加費:500円(運営協力費として)

■主催:戦争をさせない左京1000人委員会
京都市左京区田中里の前21 石川ビル305
Tel&Fax:075-711-4832

MLホームページ: http://www.freeml.com/abolition-japan

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「武器輸出」記事掲載のお知らせ by limitlesslife
March 16, 2017, 10:45 am
Filed under: 武器輸出三原則

東京の杉原浩司です。連投すみません。関西方面の方へ。

【記事掲載のお知らせ】
本日3月16日(木)の毎日新聞大阪本社版・朝刊のオピニオン欄「そこが
聞きたい」コーナーに、武器輸出に関する杉原のインタビュー記事が掲載
される予定です。

配布・販売エリアは、北陸、近畿、四国、中国(山口県を除く)地方です。
残念ながら東京ではすぐに見ることが出来ません。可能な地域の方はぜひ
ご一読ください。周りの方にもお薦めいただけるとありがたいです。

MLホームページ: http://www.freeml.com/abolition-japan



【声明】豪州潜水艦商戦での日本落選を歓迎し、全ての武器輸出中止を求めます  by limitlesslife
April 30, 2016, 1:23 pm
Filed under: 武器輸出三原則

東京の杉原浩司(武器輸出反対ネットワーク)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]

少し遅れましたが、オーストラリアの潜水艦商戦における日本落選を受け
て、武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)が以下の声明を発表しました。

ぜひご一読いただき、多くの方に広めていただけると嬉しいです。よろし
くお願いします。

<関連記事>
オーストラリア潜水艦商戦、日本敗退の裏側
潜水艦「ごうりゅう」は幻に終わった(4月28日、ロイター)
http://toyokeizai.net/articles/-/116178

[社説]豪潜水艦に落選 装備輸出の司令塔作りを急げ
(4月28日、読売)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160427-OYT1T50125.html

———————————-

【声明】

オーストラリア潜水艦商戦での日本の落選を歓迎し、
すべての武器輸出の中止を求めます

ターンブル豪首相は4月26日、オーストラリアの次期潜水艦計画で、フ
ランスの軍需大手DCNSを共同開発相手に決めたと発表しました。これによ
り、官民連合でそうりゅう型潜水艦を売り込んできた日本は落選しました。
昨年末のNAJAT発足以来、日本の潜水艦輸出を止めるために活動してきた
立場から、まずはこの結果を歓迎します。

「官邸が押し込んできた」(海上自衛隊幹部)と言われるほどに、安倍
政権が前のめりに進めてきた「死の商人国家」への目論見は、いったん挫
折しました。もし受注に成功していれば、日本の武器輸出に大きなはずみ
がつき、日本版「軍産学複合体」の形成が加速したことは明らかです。豪
州のNGOからも「日本から潜水艦を調達することは、日本が長年守ってき
た武器輸出禁止の原則を破り、新たな軍産複合体の台頭を助長しかねませ
ん」(戦争防止医療従事者協会)と危惧の声が上がっていました。さらに、
中国やロシアに対抗するとして日米豪の軍事同盟が強化され、アジア太平
洋地域の軍拡競争に拍車がかかり、緊張が高まったことでしょう。今回の
日本落選は、こうした負の連鎖を止めるという意味でも、大きな意義があ
ると考えます。

一方で、豪州政府による潜水艦の増強も大きな問題です。豪州の平和活
動家からは、「(教育や医療など)社会的なニーズを無視する一方で、考
えられないほどの浪費だ」「なんと歪んだ優先順位か」(デニス・ドーハ
ティさん)との声が届いていました。軍事費の削減と暮らしのための予算
拡大は、豪州のみならず、日本や中国などにとっても共通の課題です。太
平洋を軍拡競争の悪循環から救い出し、信頼醸成と平和メカニズムの構築
により、平和の海へと変えなければいけません。

安倍政権は2014年4月1日、「国是」とされ衆参両院の国会決議により補
強された武器輸出三原則を、閣議決定のみで撤廃しました。武器輸出は事
実上の憲法9条改悪でもあります。昨年10月1日に発足させた防衛装備庁の
もとで、国会と主権者を無視して武器輸出に邁進してきたこと自体が根本
的に問い直されるべきです。

今回の落選をめぐって、一部のマスコミからは、「武器輸出の司令塔作
りを急げ」「経産省など全省庁と企業を巻き込んだ「オールジャパン」の
態勢で臨め」などの声が上がっています。しかし、「オールジャパン」と
言うなら、武器輸出に反対する多数派市民の声こそを反映させるべきです。

私たちは日本政府に対して、日英ミサイル共同研究や日米「ミサイル防
衛」共同開発など、すべての武器輸出を中止するよう求めます。「世界に
紛争当事国は存在しない」と公言する安倍政権のもとでは、このまま放っ
ておけば日本製の武器が他国の人々を殺傷するのは必至です。市民の力で
「死のセールスマン」と化した安倍政権を退場させ、武器輸出三原則の復
活と強化を実現する政府をつくりましょう。世界の武器輸出をやめさせる
ことこそ、憲法9条を持つ日本の役割です。

私たちはまた、軍備増強に反対する豪州市民との連携を強めることに加
えて、フランス市民に対しても自国の武器輸出に反対することを呼びかけ
たいと思います。そして、「Made in Japan」を平和産業の代名詞にする
ために、国境を超えた市民のネットワークによって死の商人を包囲するた
めに、引き続き力を尽くしていきます。

2016年4月29日    武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)

東京都新宿区下宮比町3-12明成ビル302 3・11市民プラザ気付

———————————-

<武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)>
メール anti.arms.export@gmail.com 電話 090-6185-4407(杉原)
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【報告】4月1日、防衛装備庁を呼んでの議員レク(NAJAT) by limitlesslife

東京の杉原浩司(武器輸出反対ネットワーク)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]

先日4月1日(2年前に「武器輸出三原則」が撤廃された日)に武器輸出反
対ネットワークが行った防衛装備庁を呼んでの議員レクのご報告です。質
問は多岐に及んでおり、報告も長文となりましたが、ぜひお時間のある時
に落ち着いてご一読ください。

回答拒否も多かったものの、新発見や見逃せない問題回答もありました。
例えば、潜水艦の受注に向けた活動経費は豪州国防省持ちであること。ま
た、F35ステルス戦闘機について、現在は国内向けの機体組み立てと部品製
造に留まっているものの、「意義を見いだせれば」他国向けの部品製造に
踏み出す意思はあると表明したことなどです。

さらに、装備庁が事後回答で改めて、「現在、防衛装備移転三原則でいう
「紛争当事国」は基本的に存在しないと考えられる」と述べたことは、決
して見過ごすことはできません。中東を中心に、これほど多くの人々が殺
傷され、難民となることを強いられている世界に「紛争当事国」が存在し
ないのなら、確かに日本の武器輸出が「紛争を助長する」ことはないので
しょう。しかし、それはフィクションの世界でしかありません。

今後、さらに質問主意書や国会質問などの形も追求していきたいと考えて
います。また、防衛装備庁を相手とする政府交渉の設定も検討していきます。

———————————-

【報告】 防衛装備庁との議員レクチャー

2016年4月1日(金)、15時~16時、阿部知子衆議院議員事務所
市民側出席者:4人および阿部知子議員事務所担当秘書
防衛装備庁側出席者:計12人
島 晴子 総括班長(装備政策部国際装備課)
鍋田竜光 事業監理官補佐(プロジェクト管理部事業監理官(艦船担当)付)
大隈 護 事業監理官補佐(プロジェクト管理部事業監理官(航空機担当)付)
田原章吾 事業計画調整補佐官(プロジェクト管理部事業監理官(航空機担当)付)
土田幸也 事業管理官補佐(プロジェクト管理部事業監理官(艦船担当)付)
吉尾秀治 情報発信班長(装備政策部装備政策課)
川崎 泰 総括班長(装備政策部装備政策課)
佐藤清史 上席監察監理官(長官官房監察監査・評価官付)
小野陽市 上席監察監査補佐官(長官官房監察監査・評価官付)
根本優樹 防衛部員(防衛省防衛政策局訓練課)
井川真一 防衛部員(防衛省防衛政策局国際政策課)
杉原逸樹 防衛部員(防衛省防衛政策局訓練課)

【防衛装備庁に対する質問項目と回答】

<オーストラリアへの潜水艦輸出問題>

1. 潜水艦受注に向けたオーストラリア政府との間の今後の具体的な手続
きはどうなっているのか。

(鍋田)昨年11月末に検討結果を提出。現在豪州政府が検討中。本年中に
決定すると表明。
[注]8月以降にも決定されるとの報道あり。

2. 日本は官民連合として受注に向けて活動しているが、関与している防
衛装備庁職員の氏名、役職名および担当している具体的な役割を明らかに
されたい。

(鍋田)渡辺秀明長官、石川正樹長官官房審議官、池松英浩装備政策部国
際装備課長、三島茂徳(しげのり)プロジェクト管理部事業監理官艦船担当

3. オーストラリア現地で行った説明会など今までのすべての活動、およ
び今後行う予定の活動を明らかにされたい。

(鍋田)昨年8月~11月、アデレード、シドニー、メルボルン、ブリスベ
ン、パースにてインダストリー・ブリーフィングを行い、豪州企業向けの
説明を実施。11月に豪州潜水艦協会主催のカンファレンスに招待され説明。
今後については現時点で予定なし。

4. 潜水艦の受注に向けた活動に今までかかっている経費の総額と内訳、
および今後の見通しを明らかにされたい。

(鍋田)昨年6月、12月に交わした豪州との合意(石川正樹審議官、三村
亨経理装備局長(当時、現防衛審議官)が参加)で、検討作業にかかる経
費については豪州国防省がすべて負担するとした。現地説明会や渡航費な
ど日本政府の負担はなし。

5. そうりゅう型潜水艦「はくりゅう」が日豪共同軍事演習に参加するた
め、4月15日に海自潜水艦としてオーストラリアに初寄港すると報じられ
ている。この共同軍事演習の内容と経費の詳細を明らかにされたい。

(杉原:訓練課)潜水艦はくりゅう、護衛艦うみぎり、あさゆきがシドニ
ー周辺で共同訓練を実施。対潜訓練や通信訓練を行う。昨年11月の日豪
「2プラス2」で豪海空軍との共同訓練を強化すると確認。経費は教育訓練
費、燃料費から。個別に計上していないので具体的な数字はあげられない。
防衛省ホームページの公表資料(3月9日付、海上幕僚監部)にも載せてい
るが、4月15日に寄港して、4月26日に出航する予定。

6. 防衛装備移転三原則の運用指針では「安保協力関係がある国への救難
や輸送、警戒監視、掃海に関する装備の移転」と記されている。しかし、
潜水艦は地域の軍事バランスを変え、緊張をもたらしかねない、いわゆる
「戦略兵器」であり、警戒監視に留まらず先制攻撃さえ可能な兵器でもあ
る。潜水艦を輸出する法的根拠はどこにあるのか。

(島)今回は「共同開発・生産」の形で行う。防衛装備移転三原則の運用
指針に記載されている。

7. 政府は潜水艦輸出の目的として、日米豪の運用協力をあげている。も
し、日本が採用された場合、具体的な日米豪各国の運用協力の対象海域と
共同演習計画について、現状でどのように考えているのか。

(井川)現在、競争的評価プロセスの最中であり決定がなされていないの
で、運用協力の場所や協力方法は想定しているものはない。

8. 12隻分で総額4兆円を超えるビッグプロジェクトとされているが、大宮
英明三菱重工会長は「(長期にわたるため)会社の売り上げに寄与する部
分は大きくない」(3月3日、日経)と述べている。受注の暁に三菱重工と
川崎重工が得ることになるであろう収益の見積もりは。また、約4兆円の
明細概要とそれが支払われる先を明らかにされたい。

(鍋田)収益やコスト見積もりは提案内容に書いているが、豪州との合意
のもとで公表は差し控える。「4兆円」という見込みは豪州政府によるも
のだ。

9. 今回の潜水艦輸出(共同開発・生産)は、新たな「防衛装備移転三原
則」が仮に策定されていなくとも、野田民主党政権時代に行われた国際共
同開発の包括的例外化によって可能になるものか。

(島)今回の潜水艦案件は昔の基準によって判断したものではない。今回
の決定は 1.我が国と安全保障面での協力関係の一層の強化に資する。2.
我が国安全保障の観点から積極的意義。3.目的外使用や第三国移転に関し
て適正な管理が行われる。によって判断したもの。野田政権時の国際共同
開発の例外化と似かよっているが、基準の当てはめ直しはしていない。

10. 溶接技術をはじめとする最先端技術の流出防止についてどのような対
策をとるのか。

(装備庁)日豪間の防衛装備品協定、情報保護協定により適正な管理に基
づいて対応する。

11. 潜水艦から魚雷や対艦ミサイルを発射する先制攻撃訓練は今までいつ、
何回行われてきたか。また、発射の決定プロセスは具体的にどのようなも
のか。潜水艦の艦長が独自に発射命令を出せるのか、それとも首相、防衛
大臣の事前了解が必要なのか。

(杉原:訓練課)「先制攻撃」の意味が明らかでないが、訓練の時期や回
数は我が方の手の内をさらすことになるので回答は差し控える。発射の決
定プロセスは個々のケースに応じて異なるが、一般論として、首相や防衛
相が必要な行動等を命じる。この範囲の中で措置を講じる。自衛隊法によ
る防衛出動命令に基づいて行い、与えられた命令の範囲内で任務を遂行する。

12. 今回の輸出において、大気を取り込まなくとも長時間潜航できるAIP
エンジンではなく、リチウムイオン電池を採用する理由は何か。

(装備庁)技術情報を含むことであり、日豪合意に基づいて回答は差し控
える。

13. 3月1日付のロイター通信で、リチウムイオン電池に東芝製のものを採
用することを検討しているとの報道があった。これは事実か。

(井川)豪州政府がパートナー選定の手続き中であり、何ら決まっている
ものではない。

<その他>

14. 現在、日本政府は21ヵ国と武器輸出に関する意見交換をしていると報
じられている。その具体的な国名とそれぞれの進行状況、対象となってい
る武器、関与する軍需企業の一覧を示されたい。

(島)21ヵ国の根拠が不明だが、防衛装備移転三原則上、原則として目的
外使用、第三国移転に関する措置を義務付けるために協定を結ぶ必要があ
る。現在、協定を締結しているのは、米国(SM3を共同開発、三菱重工な
ど)、英国(空対空ミサイル、三菱電機)、豪州(潜水艦、三菱重工・川
崎重工)、インド(US2、新明和工業)、フランス(具体的案件なし)、
フィリピン(練習機、未決定)の6ヵ国。細部は相手国との関係があり差
し控える。イスラエルとは締結していない。他の国については展示会に参
加して話をしたりしている。

15. 堀地徹装備政策部長が武器輸出関連で今まで海外出張された記録をす
べて明らかにされたい。

(島)昨年11月2~5日にタイ出張。「ディフェンス&セキュリティ」展示
会に参加した。

16. F35ステルス戦闘機関連予算の「その他関連経費」には、ユーザー国
が世界規模で部品などを融通し合うシステム(ALGS)やF35の情報を米国
が一元管理する情報システム(ALIS)関連経費も含まれている。国際共同
開発に参加していない中で、これらはどのような法的根拠のもとに支出し
ているのか。

(大隈)ALGSはF35のユーザー国が融通しあうシステム。ALISは後方支援
情報システム。ALGSに参加して必要な時に部品供給や整備を行う。F35の
稼働率向上のために参加は必要。参加には国際共同開発への参加が要件で
はない。法的根拠は防衛省設置法第4条1項13号「所掌事務に係る装備品等
の調達、補給及び管理並びに役務の調達に関すること」。

17. F35は現在、国内向け機体のみの最終組み立て(三菱重工)、部品製
造(三菱電機)が行われている。国際共同開発に参入する見通しはどうな
っているのか。また、その障害となっている点は何か。

(大隈)米国、英国、オランダなど9ヵ国が2001年(平成13年)秋から本
格的に共同開発を開始。現在、開発の最終段階と初期の少量生産に入って
いる。開発最終段階であり、日本が今後国際共同開発に入ることはない。
航空自衛隊は42機を導入予定。他国向けの部品製造(生産)については、
現時点では予定していないが、意義を見いだせれば否定するものではない。

18. 日英ミサイル共同研究が第一段階を終了し、第二段階に入るとされて
いる。シリア空爆などを行っている英国は武器輸出を禁じるべき「紛争当
事国」ではないのか。また、イエメンへの無差別攻撃を続けるサウジアラ
ビアへの英国の武器輸出が国際的な非難にさらされている。日本政府とし
て公式に英国に武器輸出中止を求める考えはないのか。

(島)新三原則に「紛争当事国」の定義は明記している。「武力攻撃が発
生し、国際の平和および安全を維持しまたは回復するため、国連安全保障
理事会が取っている措置の対象国」。英国はこれに当てはまらない。(現
時点での対象国については、改めて文書で回答へ:後ろに補足)

19. 政府は退役した海上自衛隊の練習機「TC90」をフィリピン海軍に貸与
する方針を固めたと報じられている(2月29日、読売など)。フィリピン
側の負担は年間数百万円程度とされ、事実上の武器輸出である。この目的
は何か。この武器輸出がなぜ「日本の安全保障に資する」と言えるのか。
そして、この案件はフィリピンからの要請に基づくものか、あるいは日本
から持ちかけたものか。

(田原)そうした方針を固めた事実はない。フィリピンとの間で可能性を
検討中。具体的な装備品協力は言えない。

20. 武器輸出案件が中断、失敗などした場合、そのリスクは誰がどのよう
に負担することになるのか。防衛省が武器輸出事業に貿易保険の適用を検
討しているとも報じられている。この検討作業は現在、どのような段階に
あるのか。

(川崎)通常の貿易と同様に、企業がリスクを負担する。貿易保険の検討
作業については有識者会議から指摘があった。現在、具体的な予定はない。

21. 政府は日本企業に課している海外の武器製造企業の買収規制を見直す
ことを決めたと報じられた(2015年8月2日、東京)。記事では、関連法の
運用指針を現在の「厳に抑制」から「状況に応じ適切に判断」などと変更
すると書かれている。この見直し作業は現在、どうなっているのか。

(島)見直しを決めたという事実はない。これに関して周辺でも聞いたこ
とはない。

22. 政府は6月13日から17日までフランス・パリで開催される武器見本市
「ユーロサトリ」に昨年に続き出展しようとしており、現在、防衛装備庁
が出展企業を募集している。現在までに出展を決めている企業名を明らか
にされたい。また、今回の出展にかかる経費と昨年の出展にかかった経費
を明らかにされたい。

(吉尾)現在、出展企業を募集しており、現時点でお答えはできない。4
月上旬に各企業に審査結果を連絡する。企業名は公表する必要がないので
公表しない(ただし、問い合わせには回答する用意はある)。防衛装備庁
を通さず、企業の独自判断での出展も可能。経費については2016年度予算
に3400万円を計上。昨年のユーロサトリではなく「DSEI」(英国での展示
会)には480万円。ただしDSEIや一昨年のユーロサトリでは募集はせず、
企業が独自出展した。防衛省は「視察」。募集するのは今回のユーロサト
リが初めて。※ユーロサトリは隔年開催。

23. 10月12日から15日まで東京ビッグサイトで開催される「2016年国際航
空宇宙展」で、防衛省・防衛装備庁は今まで以上の関連展示や企画を構想
しているとされる。準備している展示や企画の規模、内容、経費の見通し
を明らかにされたい。

(吉尾)国際航空宇宙展への出展の具体的内容は検討調整中。装備政策や
技術力を発信するためブース出展を予定している。2016年度予算に4300万
円を計上。

24. 昨年のユーロサトリへの出展以降、今までに国内外で実施したすべて
の武器見本市、武器展示会への出展の内容と経費を明らかにされたい。ま
た、今後の出展計画と予定経費についても明らかにされたい。

(吉尾)昨年のDSEI以降、実績はない。今後は6月のユーロサトリ、10月
の国際航空宇宙展に予算計上。

25. 防衛装備庁が不正防止のために設置した身内の防衛省職員20人による
「監察監査・評価官」は、職員の通報窓口を設置、聞き取りやアンケート
を行う予定とされている。これらは既に実施したのか。まだであればいつ
実施するのか。また、告発を受けた時の対応や職員の権限は決まったのか。

(佐藤)電子目安箱などを設置している。現在まで告発事例はない。コン
プライアンス順守や意識向上のため、職員教育を行う。石川正樹長官官房
審議官が調査を担当。

26. 防衛装備庁は新たな「防衛装備・技術基盤戦略」を今年夏にも公表す
ると報じられている。この策定に携わっている担当職員名、その役職名と
公表する時期の見通しを明らかにされたい。

(川崎)2014年6月に「防衛生産・技術基盤戦略」を公表。特に見直しの
予定はない。「技術(テクノロジー)戦略」の策定・公表は考えているが、
時期や内容は固まっていない。

<参加者との質疑応答>

(市民側)輸出する武器の中身に縛りはあるのか? 例えば、非人道兵器、
それに準ずる兵器(傷痍弾)などは輸出しない、とか。
(島)具体的な定めはない。新三原則のもとで厳格にやっていく。
(市民)核兵器転用可能な部品などは?
(島)特に基準はないが運用指針に基づいて個別に判断していく。

(市民)競争的評価プロセスの意味は? 評価には運用協力の中身がセッ
トになるのでは?
(装備庁)一層の日豪防衛協力の拡大深化、アジア太平洋の海洋安全の
強化に資するためのもの。

(市民)「企業がリスク負担」との回答だったが、企業側が裁量で、独
自の判断で撤退することはあり得るか?
(川崎)企業としての判断はあるだろうが、今の段階で想定していない。
(市民)契約内容に途中撤退にはペナルティを課すとの中身はあるか?
(川崎)現在、評価している段階。決まった後に検討される。

(市民)輸出武器に「縛りがない」との発言を聞くと、核兵器保有につ
いての横畠法制局長官の答弁を思い出す。あらかじめこの武器は排除す
るとの問題意識はないのか?
(島)現状では特にはない。

(市民)日英ミサイル共同研究が第一段階を終了し第二段階に入ったと
されている。開発段階に入る時期など今後の見通しは?
(装備庁)見通しは特にない。共同開発の見通しはまだない。

(市民)渡辺装備庁長官が国会答弁に立ったケースはあるのか? 堀地
徹装備政策部長が答弁することはあり得るのか?
(装備庁)渡辺長官が答弁した実績はない。議員が指定すれば長官、装
備政策部長が答弁することは可能。

※質問18に関わり、現時点で輸出を禁じる「紛争当事国」に該当する国
名の文書回答を求めたところ、後日、防衛装備庁より、以下の文書回答
あり。

・現在、防衛装備移転三原則でいう「紛争当事国」(武力攻撃が発生し、
国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国連安保理がとってい
る措置の対象国)は基本的に存在しないと考えられる。

———————————-

【参加歓迎】4.15 防衛装備庁申し入れ
https://najat2016.wordpress.com/2016/04/13/415action_antisubs/

4.15 ツイッターアクションの呼びかけ
https://najat2016.wordpress.com/2016/04/07/twitter_action_subs/

武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)
メール anti.arms.export@gmail.com 電話 090-6185-4407(杉原)
ブログ https://najat2016.wordpress.com/
ツイッター https://twitter.com/AntiArmsNAJAT/
Facebookページ https://www.facebook.com/AntiArmsNAJAT/

MLホームページ: http://www.freeml.com/abolition-japan



「忘災」の原発列島 インドで「アベさん、帰れ!」 日印原子力協定に反対運動 by limitlesslife
January 29, 2016, 12:52 am
Filed under: アベノミス, 原発輸出, 武器輸出三原則

安倍晋三首相の顔が描かれた横断幕を手に、日印原子力協定への反対を訴える住民ら=インド中部・ナーグプルで昨年12月12日(現地の反核団体「核廃絶と平和のための連合」提供)

 安倍晋三首相は就任以来、海外での原発セールスに積極的だ。昨年12月にはインドでモディ首相と会談、原子力協定を締結することで合意し、原発輸出に道を開いた。安倍首相は成果を強調するのだが、インドは核拡散防止条約(NPT)に加盟していない。日本は唯一の被爆国であり、核兵器廃絶が国是であることをお忘れなのだろうか。【小林祥晃】

住民ら「フクイチが終わっていない」 NPT空洞化させる恐れも

 「ミスターアベ、ゴーバック!」(安倍さんは帰れ!)

 インド西部の町、ジャイタプールで昨年12月12日、原発建設の反対集会が開かれた。集まった農民や漁民ら2000人以上が冒頭のシュプレヒコールを何度も繰り返したという。インド政府は、この地で最大で6基の原子炉を建設する計画を進めているのだ。

 安倍首相はこの日、ニューデリーでモディ首相と会談、日印原子力協定を締結することで原則合意した。これに反対する集会がインド各地で開かれ、中部のナーグプルでは掲げられた横断幕にこう記されていた。「フクイチ(東京電力福島第1原発事故)が終わっていない。インドに原発売ってる場合か!」

 インド国民の反発をよそに、なぜ日本は原発を輸出しようとしているのか。まず、国際環境NGO「FoEジャパン」スタッフの深草亜悠美(あゆみ)さんが、インドの原発事情を解説する。「稼働中の原発は21基ですが、政府は『急増する電力需要に対応する』などとして、さらに原発を増やす方針です。具体的には建設中が6基、計画中が24基。いずれの予定地でも住民の反対運動が起きており、特に福島第1原発事故後に激しくなりました」。2011年にはデモ隊に治安当局が発砲し、死者を出した事件も発生。政府が強硬に原発建設を進めている構図が改めて浮かび上がった。

 原発建設を担っているのは米仏露のメーカーで、米仏企業は原子炉格納容器など重要な資機材に日本製を採用している。そもそも東芝は米ウェスチングハウスを子会社にしており、日立製作所は米ゼネラル・エレクトリック、三菱重工業は仏アレバと、それぞれ関係が深い。原発ビジネスは1基当たり5000億円規模と言われる。日本企業にとっても資機材の輸出によって莫大(ばくだい)な利益を得るチャンスなのだ。

 原発輸出を成長戦略と位置づける安倍首相は第2次政権発足以降、インド首脳とのトップ外交を繰り広げてきた。その動きを批判するのは、市民団体「原子力資料情報室」のスタッフ、松久保肇さん。「インドには原発事故時、メーカーに賠償責任を負わせる『原子力損害賠償法』があることから、インド進出に二の足を踏む米国企業もある。日本はそのリスクを承知して、原発輸出を考えているのか」

 問題は原発輸出に伴うリスクだけではなさそうだ。松久保さんは「インドは核兵器の保有国ですが、イスラエル、パキスタンなどと同様、NPT非加盟国であることを忘れてはなりません」と批判する。NPTを空洞化させてしまう恐れもあると指摘するのだが、どういうことなのだろう。

 インドがNPTに加盟していないのは「米英仏露中の5カ国だけに核の保有を認め、非核国には国際原子力機関(IAEA)による査察を義務づけているNPTは不平等だ」との立場を取っているからだ。1974年と98年には核実験を行い、国際社会から原子力分野の技術協力やウラン燃料の取引を禁止された。

 その後、独自に核開発を進めてきたが、00年代に入り、風向きが変わった。「中国に次ぐ巨大市場としての可能性、そして力を強める中国へのけん制役として注目されるようになり、米国がインドとの関係改善に乗り出したのです」(松久保さん)。05年の米印原子力協力の合意に続き、08年には日本など原子力関連貿易を行う48カ国でつくる原子力供給国グループが、インドを「例外扱い」とし、停止していた貿易を再開。これによって、インドは事実上、米英仏露中に並ぶ地位を手にした。

 松久保さんは話す。「米国は『インドを孤立させるより、国際社会の枠組みの中に引き入れることが重要』という理屈で関係改善を進めました。日本も同じ論理で臨んでいます」。確かに安倍首相は、日印原子力協定の意義をこう強調している。「国際的な不拡散体制にインドを実質的に参加させることにつながる。不拡散を推進する日本の立場に合致する」と。しかし、松久保さんは「非核国の日本がこの協定を結ぶことは、インドの『核軍拡』を容認することになってしまう。それでも核不拡散体制に引き込んだと言えるのでしょうか」と、政府の理屈は成り立たないと断じた。

 日本がNPT非加盟国と協定を結ぶのは初となるだけに、「非核」を国是とする日本にとって望ましくないという声は根強い。両首脳が合意した日に、広島市の松井一実市長と、長崎市の田上富久市長は「交渉中止を政府に要請していたが、被爆地の要請が考慮されず誠に遺憾」などと批判した。原水爆禁止日本国民会議、原水爆禁止日本協議会も「核兵器の拡散につながる」などと、それぞれ抗議声明を発表している。

 さらに重大な問題がある。この協定では「原子力の平和利用」の確約が不十分だということだ。両国の交渉で、日本側は「核実験を実施した場合は協力を停止する」との規定を盛り込むことにこだわったが、核開発の制約を受けたくないインドは難色を示していた。

 「核実験で協力停止」という条件を巡って、安倍首相は「モディ首相に伝え、理解を得られた」と胸を張った。だが、首脳同士で交わした覚書にはこの記述はない。関係者によると、協定関連文書には明記される見込みだが、どんな文言になるかはまだ不明だ。

 使用済み核燃料の再処理をどこまで認めるかについても不明確なままだ。簡単に説明すると、日本製の資機材で作られた原発から出た核のごみが、核兵器の原料として利用される懸念が拭えていないのだ。

 10〜14年、内閣府の原子力委員会委員長代理を務め、現在は長崎大核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎教授は危機感をあらわにする。

 「被爆国の日本が軍事転用を防止する条件さえ認めさせられないようでは、核軍縮、核不拡散外交で日本の立場は弱くなるばかりです」。今回の協定を巡り、日本にはインドとの関係強化を望む声もあるが、鈴木さんは核不拡散の姿勢を貫くべきだと訴える。「インドが他国と結んだ協定よりも厳しい条件にすべきです。インドの核兵器開発に歯止めをかけるよう、全ての核燃料再処理施設で国際査察を受け入れるくらいの条件を求めてもよかった」

 東日本大震災後、福島第1原発の原子炉建屋の爆発の場面を目の当たりにした私たちは、原発の怖さを実感した。親日国インドの国民の中に強い反対があるにもかかわらず、自国の利益のために原発を売ることは本当に正しいことなのか。



軍事研究を行わないよう求める署名運動 by limitlesslife
January 11, 2016, 6:12 am
Filed under: アベノクー, アベノミス, 武器輸出三原則
先日は大学の軍事研究反対署名にご賛同
くださいましてありがとうございました。
この署名運動と一体のものとして、以下の署名運動に
取り組んでいます。よろしければ、こちらにもご賛同いた
だければ有難く存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
日本学術会議に軍事研究を行わないよう求める署名運動
    署名事務局 野田隆三郎