Global Ethics


「命令一下の民主主義は命令一下の戦争につながる」 by limitlesslife
May 21, 2016, 11:21 am
Filed under: 民主主義
長野県の戦後民衆思想にとって重要な人物の一人に山本茂実(しげみ)がいます。
『あゝ野麦峠』の著者として知られていますが、戦後の文化運動のなかで
『人生記録雑誌 葦(あし)』を刊行してきた編集者としてご存知の方も
多いと思います。
松本近郊に生まれ、近衛兵(このえへい)として大陸に出征しますが、
病気を得て帰国、以後、陸軍の療養所で詩作と思索の日々に入ります。
戦後、青年団運動に参加するなかで次のようなことばを残しています。
「命令一下の民主主義は命令一下の戦争につながる」。
天皇の「詔勅(しょうちょく)」一本で「終戦」したということは、
再び三度(みたび)、「詔勅」が下れば、再び三度戦争が始まるということでは
ないのか、そして現在の「民主主義」も、占領軍とそれに追随(ついずい)
した日本支配層の「命令一下の民主主義」ではないのか、と。
「自分のあたまで考えること」が、山本茂実の「敗北」から学んだことだったのです。

常磐(じょうばん)炭鉱争議の経験のなかから山代吉宗(やましろよしむね)は
次のような趣旨のことばを語っています。
民衆は「かたつむり」のようだ、普段は、何ごとかあると、
すぐに体を堅いカラのなかに引っ込めてしまう。
ファシズムは、そうした民衆のことをよく知っていて、
カラごと引っ張っていってしまう。
そうした民衆に、上から「運動」や「問題意識」を語っても意味がない、
むしろ「かたつむり」がカラから出て、自由に身体をのばせるような場所を
作っていかなくてはならない、と。
だからこそ、戦時下の過酷な状況のなかで山代吉宗は、パートナーであった
巴(ともえ)とともに京浜工業地帯で1つのサークルを作る試みを行っていきます。
星座のわからない「女工さん」には、吉宗がていねいに教えてあげ、
休日にはピクニックに行く。
吉宗・巴のサークルは「質問ができる雰囲気をいかにつくるか」、
ということを念頭におきながら、活動を展開していきました。
次第に、職場の待遇改善の問題も、「女工さん」たちのあいだから
出て来ることとなります。

【大串潤児(おおぐしじゅんじ)著 「敗北」からも学ぶ より抜粋】
(ニュースレター「平和の種」63号 2016・5・15掲載)

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



自衛隊員若者のみなさんアベの為に命を落とすな 明日4/17(日)、市民連合応援団!「民主主義ってなんだ?」リレートーク@早稲田大学大隈講堂 by limitlesslife
自衛隊員・若者のみなさん
「アベの為に命を落とすな」。
憲法九条が改悪されない限り、
安保法制(戦争法)は違憲であり、参戦は拒否できます。
(安保法制違憲訴訟埼玉の会090-1702-8944 世話人石垣090-4373-0937)
以下転送です、
明日
市民連合応援団!「民主主義ってなんだ?」リレートーク
と き:4月17日(日) 午後1時開場、1時半開始。4時半まで。
場 所:東京都新宿区の早稲田大学大隈講堂
案内図:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/g_110530/data/kikin-kaijo_waseda.pdf
交 通:地下鉄東西線「早稲田駅」下車徒歩5分
参加費:無料
ゲスト:上野千鶴子、香山リカ、長谷部恭男、浜のり子、落合恵子、
     T-nsSOWL、奥田愛基、島田雅彦、中沢けい、落合恵子、
     内田聖子ほか

市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)の
活動を応援するトークイベントが17日、東京・早稲田大学で行われます。
市民連合は、国政選挙での野党統一をすすめ、その勝利のために全力
をあげています。市民の力が政治を動かし始めている今、市民運動は
何ができるのか深め合いましょう、と参加を呼びかけています。
学者、学生、高校生、作家など、各分野で行動している人たちが発言を
予定しています。
上野千鶴子さん(社会学者)、香山リカさん(精神科医)、長谷部恭男さん
(憲法学者)、浜矩子さん(経済学者)、ティーンズソウルの高校生、奥田
愛基さん(シールズ)、島田雅彦さん(作家)、中沢けいさん(作家)、落合
恵子さん(作家)、内田聖子さん(アジア太平洋資料センター事務局長)の
10人です。
主催は、早稲田大学メディア・シチズンシップ研究所、安保関連法の廃止
を求める早稲田大学有志の会、立憲デモクラシーの会。


本当に価値あるものは、ずっと変わらない by limitlesslife
March 23, 2016, 3:14 am
Filed under: 民主主義

・・・英雄は、ここ日本にも存在する。
地域医療の父と呼ばれた医師『村で病気とたたかう』の若月俊一氏だ。
病気でなく人間を診る、を指針とした若月氏は言う。
「たとえ同じようにみえても、一人として同じ人はいないのです」。
この言葉はジャーナリズムや教育をはじめ、
私たちが生きる社会の中の、あらゆる場面にあてはまる。
「民主主義」とはいつの時代も、「人間」から始まるものなのだ。
加速する強欲資本主義の中、私たちは「真実」をつかもうと手をのばす。
頼れるものは迷った時に、「本質」に戻る
「想像力」と「他者への優しさ」、そして「直感」だろう。
どれだけ技術が進み情報が降り注いだとしても、
本当に価値あるものは、ずっと変わらないのだから。毎日新聞 2016年3月20日書評欄 堤未果
「村で病気とたたかう」(若月俊一著・岩波新書・821円)

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IROHIRA


「議員定数削減とは どういう問題か」3月メール通信 by limitlesslife
岩井より   転送で紹介。

名古屋周辺の運動イベント案内をたっぷり付けた通信です。

—– Original Message —– Sent: Tuesday, March 01, 2016 7:22 PM
Subject: 3月メール通信「議員定数削減とは どういう問題か」(池住)17

<3月メール通信> 【末尾に今後の講演案内あり】

◆『議員定数削減とは どういう問題か』
~~名古屋市の場合~~
2016年3月2日  池住義憲

名古屋市の自民・民主・公明3会派は、2月19日に開会した2月定例議会の最終日(3月22日)近くに、議員報酬増額と抱き合わせて、議員定数を削減する議員提出条例案を提出する予定です。名古屋市の人口(2,298,358人、2016年2月1日現在)からすると議員定数の法定上限数は88ですが、現在は75に止まっています。それを次期一般選挙から7減らして68にしょう、というのです。

議員定数問題は、議会制民主主義の根幹に関わります。市民の声を聴かず、十分に審議することなく即決するようなことがあれば、名古屋市の民主主義はさらに形骸化します。議員の活動原則は、①市民の代表として市民の意見を的確に把握する、②議会で十分な審議と討論を尽くす、③多様な市民の意思を反映させて市民生活向上に必要な意思決定を行うこと、です。

議員が市民への透明性・公開性並びに説明責任を果たすことによってはじめて、市民が議会への活動に参加する機会が確保されます。そして、議員と首長(市長)どちらも住民による直接選挙で選ばれるという二元代表制のもとで、議会は、行政執行責任者である市長を独断専行に走らせず、市民のために適切な施策執行をしているか否かを絶えず監視する重要な役割を担っています。

議員定数問題は、議員のそうした役割・責任が十分果たされているか否かという本質議論を行うことから始めなければなりません。これを軽視・無視した定数削減は、民意の反映を縮小し、議会本来の役割・機能を低下させます。本質議論を避けた安易でその時々の便宜的な定数削減は、少数党を排除し民意を正しく反映しない議会を創り出します(いわゆる小選挙区制”効果”)。その行きつくところは、地域のことは地域で決めるという「地方自治」「地方主権」の崩壊です。

こうした状況のなかで、私も呼びかけ人の一人になっている「名古屋の民主主義を守る会」(旧称:名古屋市政の民主主義を守る14人の会、2011年5月発足)は、近日中に名古屋市議会議長と各会派に意見表明/要請書を提出する方向で準備を進めています。議員定数問題は住民自治と民主主義の基礎であることを、今一度、再認識・再確認することを強調する必要があるからです。

具体的には、名古屋市議会基本条例に従って、①議員定数および議員報酬に関する改廃は、議会基本条例の趣旨・理念に立ち戻って本会議/常任委員会等で熟議すること、②議員定数および議員報酬に関する市民の声を広く聴くための機会を設けること、③拙速な事務的・形式的採決を強行するのでなく、参考人制度や公聴会制度などを活用すること、などです。

みなさんの市町村議会は、いかがですか?

以上
———————————————–
<3~4月の主な講演・集会案内>  よかったらご参加を!

●3月5日(土) 愛知県日進市
【名称】 日進九条の会第11回記念集会
「主人公はわたしたち! 選挙を考えよう!」
【日時】 3月5日(土)13:00~16:30
【場所】 日進市民会館 小ホール
地下鉄鶴舞線「赤池駅」下車
市内巡回バス「くるりんばす」 南西コース(ピンク)または南コース(青)乗車
「市民会館」下車(100円)
【内容】 第一部:三線と島唄「沖縄の心をとどけて」~~エイサーと共に
浜盛重則さん
第二部:講演「ドイツは戦争責任にどう向き合ってきたか」
北住けいいちさん(名古屋大学大学院教授)
第三部:問題提起「安保関連法の廃止にむけて~~私たちができること」
池住義憲(日進九条の会世話人)
【参加費】500円

●3月12日(土) 愛知県名古屋市
【名称】 学習会「伊勢・志摩サミットとは何か?」
【日時】 3月12日(土)18:30~21:00
【場所】 ウイルあいち(愛知県女性総合センター)セミナールーム5
地下鉄名城線「市役所」駅②番出口より東へ徒歩約10分
【内容】 「伊勢・志摩サミットとは何か?」
(サミットとは何か? どのような影響を及ぼすのか? 安保関連法/集団的自衛権行使とサミットの関連はないのか? 私たちはどう対処/対応するか? 等々・・・)
講師:池住義憲
【主催】 ATTAC東海、不戦へのネットワーク
【資料代カンパ】 500円

●3月17日(木) 茨城県水戸市
【名称】 パルシステム TPP学習会第5弾
【日時】 3月17日(木)12:30~16:00
【場所】 茨城県JA会館本館 4階大会議室
JR水戸駅徒歩15分
【内容】 1.ドキュメンタリー映画
2.講演「TPPの内容と今後の私たちの暮らしの行方」
講師:池住義憲(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表)
【主催】 生活協同組合パルシステム茨城
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

●3月23日(水) 茨城県つくば市
【名称】 パルシステム TPP学習会第5弾
【日時】 3月23日(水)12:30~16:00
【場所】 茨城県JAつくば市矢田部本所 3階大ホール
(つくば市矢田部2,074-1)
【内容】 1.ドキュメンタリー映画
2.講演「TPPの内容と今後の私たちの暮らしの行方」
講師:池住義憲(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表)
【主催】 生活協同組合パルシステム茨城
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

●4月7日(木) 名古屋市
【日時】 4月7日(木)18:30~20:30
【場所】 名古屋市民活動推進センター 6階会議室
(ナディアパークデザインセンタービル)
地下鉄「栄」駅⑦⑧番出口より徒歩7分
または地下鉄「矢場町」駅⑤⑥番出口より徒歩5分
【内容】 「ポーランド・ドイツ訪問報告」(アウシュヴィッツを訪ねて/ホロコースト
過去再検証&現代再検証/原発政策 ドイツと日本のちがい、など)
池住義憲
【主催】 戦争と平和研究会
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

●4月16日(土) 名古屋市
【名称】 原子力発電問題講演会
【日時】 4月16日(土)14:00~16:00
【場所】 日本聖公会名古屋聖マタイ教会 ホール
地下鉄鶴舞線又は桜通線「御器所」駅④番出口より徒歩7分
(名古屋柳城短期大学向い)
【内容】 講演「なぜドイツは原発をやめることにしたのか
~~原発政策 ドイツと日本のちがい」
池住義憲(日本聖公会名古屋聖ステパノ教会信徒)
【主催】 日本聖公会中部教区、いっしょに歩こう!プロジェクト中部
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

●4月29日(金・祝)三重県四日市市
【名称】 池住義憲さん講演会
【日時】 4月29日(金・祝)13:30~16:00
【場所】 四日市市総合会館 第一研修室
【内容】 講演「憲法改悪は私たちがゆるさない~~
秘密保護法、緊急事態条項に秘められた危険に立ち向かう」
池住義憲(元立教大学大学院特任教授)
【主催】 秘密保護法を考える四日市の会
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

以上///////////////////////////////////////////////////////////////////////

MLホームページ: http://www.freeml.com/goken-entaku



国民、市民の希望の星・市民連合! by limitlesslife
知人友人の皆さんへ
                      杉浦公昭
平和こそ我が命

2016年01月13日

国民、市民の希望の星・市民連合!

                                                    杉浦公昭

 Twitterからメールで以下の市民連合を見るよう薦められました。

こんにちは、杉浦公昭さん。 フォローのおすすめ

埋め込み画像への固定リンク以下をクリックして見て下さい。

市民連合

@shiminrengo

杉浦公昭 ‏@ksugiura2

 @shiminrengo市民連合は私の夢と希望を叶える仲間の集まり。人を殺し殺される戦争を終わらせる原点。全世界の人々が助け合って暮らせる地球へのスタート点。力強く一歩一歩と前進して行きましょう!



年金引き下げ違憲訴訟で現実となった 「シルバー民主主義」の脅威 by limitlesslife
June 9, 2015, 11:47 am
Filed under: 民主主義
2015年6月9日 八代尚宏 [昭和女子大学特命教授,,国際基督教大学客員教授]

八代尚宏 昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授

高い投票率を武器にした「シルバー民主主義の脅威」が、年金引き下げ違憲訴訟で露呈し始めた
Photo:Paylessimages-Fotolia.com

年金支給額の引き下げを憲法違反とする集団訴訟が全国で始まった。これは年金法で定められている年金のデフレスライドの実施や、年金財政を安定化させるための給付抑制が、最低生活を保障する憲法に反するという主張である。今後、急速に高齢者が増える日本で、もっぱらその利益を追求する集団が、高い投票率を武器として大きな政治力をもつ「シルバー民主主義」の脅威が、現実のものとなりつつあることを示している。

年金引き下げ違憲訴訟に欠けている
3つの重要な視点とは

この集団訴訟の主要なポイントは、以下の3点である。

第1は、個人単位の国民年金の給付額は、40年加入で月額6.5万円、平均では5万円に過ぎず、単身者は生活できない。また、無年金者が100万人も存在する。第2に、過去のデフレスライド停止分の利得返済(特例水準の解消)は、物価上昇の中で解消するべきで、物価下落局面での年金支給減額は法律違反である。第3に、これに加えて、年金の実質減額(マクロ経済成長スライド)は、憲法で禁止されている、合理的な理由なく財産権を侵害する行為に相当する。

しかし、これらの論理には、次の3つの視点が欠けている。第1に、公的年金は憲法25条に基づく生活保護のような最低生活保障ではなく、給付と負担の均衡原則に基づく「保険」である。第2に、公的年金の受給者が、過去に支払った保険料に対応する財産権を持つとしても、それは現実の給付額の一部に過ぎない。実際には、勤労者世代の財産に強制的に課される社会保険料・税を財源とした、多くの世代間の所得移転を受けていることである。第3に、低所得層の所得維持のためとする年金給付の引き上げは、結果的に中・高所得層の年金受給者にも大きな利益となるポピュリズムと結びつくことである。

公的年金は「強制加入の年金保険」

老後の生活保障の柱としての年金を、民間保険に委ねるのではなく、政府の公的保険とする根拠のひとつに、勤労時に老後の生活保障の柱となる貯蓄を強制することがある。

現行制度では、大雑把にみて、月1万5590円(2015年度)の国民年金保険料を40年間負担すれば、65歳から月6万5008円の給付を、男女の平均寿命に見合って20年間弱受け取れる。これは給付額の半分が税金からの補助で賄われているためで、生涯で負担の倍近い給付を保障する高収益の金融商品である。それでも高齢者の生活を支えるには不十分であれば、それに見合った高い保険料が必要になるが、保険料の負担増には反発が大きい。

現実に、無年金者や満額以下の年金しか受給できない受給者が多いことは、給与から保険料を強制徴収されるサラリーマン以外に対して、事実上、保険料徴収の強制性を欠く年金行政の問題である。これには、確実に保険料を徴収可能な年金目的消費税等の具体的な提案があるが、厚生労働省は無視している(拙書『社会保障を立て直す(日経新書)』他)。

もっとも、過去の行政の不備で、多くの低所得の高齢者が存在するが、その救済は生活保護行政に委ねるしかない。これに対して、年金給付を一律に引き上げることは、生活に困窮しない中・高所得層の高齢者も、多くの利益を得る、ばらまきである。日本の社会保障収支の赤字は、高齢化とともに傾向的に拡大しており、それは一般会計を通じて、赤字国債の発行で賄われている(図)。この「借金に依存した社会保障」をさらに拡大させることは、年金制度の持続性を損ない、高齢者自身にとってのリスクを高めるものである。

公的年金の基本は実質価値の保障

公的保険としての年金の目的のひとつに、戦後の高インフレのような事態でも、その実質価値が損なわれないことの保障がある。そのため、物価水準に応じて給付額を変動させることが、年金法で規定されている。インフレスライドは良いが、デフレスライドは悪いという論理は成り立たない。ここで、消費税率の引き上げによる物価上昇分も、インフレスライドの対象に含まれる点で、年金受給者は増税の負担を、給付の増加で相殺される仕組みとなっていることが忘れられている。

物価下落で実質所得が増えるにもかかわらず、高齢者の生活維持を名目として、平成12年度から3年間に渡って年金の名目水準が維持された。この「特例水準」と、年金法の規定通りに年金額が引き下げられた場合との差額は、毎年約1兆円もの給付増となる。今回の年金額の引き下げは、法律で定められた本来水準への復帰に過ぎず、すでに過去8年以上にわたって支払われた給付増加分は取り戻せない。

集団訴訟の訴状にある、「物価上昇に対応したインフレスライド分から、特例水準解消のための年賦払いの1%を差し引くことは仕方ないが、物価が0.3%しか上昇しないのに、給付を0.7%の削減するのは財産権の侵害」とは、奇妙な論理である。これは、1%以上のインフレであれば、差し引き後も年金の名目額が前年に比べて少しは増えるが、さもなければ減るという違いに過ぎず、年金の実質価値(購買力)で見れば、いずれも同じことだからだ。

年金の世代間格差は無視して良いのか

集団訴訟のポスターには、「若者も安心できる年金制度を」とうたわれている。これは「年金給付拡大の恩恵は、いずれ若者が高齢者になれば受けられる」という前提に依存している。しかし、これは人口の年齢構成が将来も不変という、少子高齢化社会と矛盾した前提に基づく、根本的な誤りである。

現在の年金制度はGDPの額を上回る500兆円強の積立不足(隠れ債務)が存在している。これは現在の高齢者の年金給付が、勤労世代の積立金を取り崩すことで賄われているためだ。これに加えて、社会保障財政の慢性的な赤字の累積から、先進国の内では桁外れの1000兆円を超える公債残高が生じており、いずれも子どもや孫の世代に負担を先送りするものとなっている。

高齢者はそれほど多くの年金を貰っていないというが、毎年の給付額よりも、過去40年間に男性の平均寿命が11歳伸びるなど、長寿化による生涯の年金受給額の増加が重要である。多くの先進国では、平均寿命の伸長に合わせて年金の支給開始年齢を67-68歳に引き上げ、平均的な年金受給期間を、男性で10年程度に抑制している。しかし、世界でトップレベルの寿命の日本では、男性の平均寿命が80歳に達した今日でも、年金の支給開始年齢を65歳以上に引き上げることは、政治的にタブーとなっている。こうした過去の年金政策の失敗が、もっぱらインフレに依存した実質給付の削減策となっている。

シルバー民主主義への正しい対応

国政選挙等での高齢者の高い投票率を背景として、高齢者に媚びる政治家が増えるシルバー民主主義の弊害広がっている。その意味で、年金集団訴訟は、これまで政府が避けてきた高齢化社会の社会保障費の膨張の是非について、国民的議論を行う良い機会である。

この訴訟の背景には、政府が複雑な年金財政について、一部の専門家の間だけで検討するだけで、米国のような公平な第三者機関の評価が行われていないことがある。この結果、年金財政深刻化にもかかわらず、過去の行政の経緯から、楽観的な「100年安心年金」に拘ることで、逆に年金給付削減への国民の納得性を得られないジレンマに陥っている。

シルバー民主主義の弊害是正のためには、世代別選挙区制度や、子どもを持つ親に複数の投票権など、間接的に高齢者の選挙権を制限するというのが定番の政策提言である。しかし、これは高齢者の強い政治力を考慮すれば、机上の空論になりかねない。

高齢化社会では、高齢者の就業を促進するために、他の先進国に倣って、年齢差別的な定年制度の禁止と、それを可能とする労働市場改革を急ぐことである。男女の別なく働き続ける高齢者は、何歳になっても「勤労世代」である。現に、日本と同じ平均寿命の豪州は、年金の支給開始年齢の70歳への引き上げを昨年度に実施した。日本の政府も、年金財政の深刻な現状を、超楽観的な経済前提にもとづく試算で粉飾するのではなく、国民に真摯に説明するべきである。

日本の多くの高齢者は、社会保障の現状についての正しい情報を得られるならば、決して子どもや孫の負担を増やしてまで、自らの生活向上を求めようとはしない筈である。日本の高齢者の良識を信じて、必要な負担を求めるのが政治家の役割である。年金受給者の平均年収190万円は、年金加入者平均の297万円と、世帯員の差を考慮すれば、必ずしも低くないが、高齢者はもっとも所得格差の大きな年齢層である。貧しい高齢者の生活保障は、給与所得と比べて優遇されている年金所得課税の見直し等、同世代の豊かな高齢者の負担で賄う所得再分配を進めるべきである。



6.10集会 さいたま市公民館便り俳句拒否問題 by limitlesslife
June 9, 2015, 6:27 am
Filed under: 民主主義
明後日ですので再掲させて頂きます。
不掲載にされた俳句:日本の民主主義は危機的状況です
梅雨空に 「九条守れ」の 女性デモ」
市民の集い
~「公民館」のあり方を問う~
▶と き 2015 年6 月10 日(水)午後6 時半開会
▶ところ 常盤公民館・体育室
(さいたま市、JR 北浦和駅西口5 分・北浦和公園向い)
▶資料代 500 円
 6 月25 日で1 年目梅雨空が近づきました〉もう、待てません。
表現の自由、中立性とは、公共とは、本来の公民館は……。
 多くのみなさんの参加を呼びかけます。
●お話 永田浩三さん ジャーナリスト 著作「NHKと政治権力」他
★有識者・文化人アピール
★各地区〈表現の不自由〉こんなことが報告
★公民館・社会教育学会訴え
★私もひとこと参加者リレートーク★今後、今何を
連絡先 6.10九条俳句を考える市民の集い 実行委員会
 (武内 090-2173-2591 前島 090-1668-6232 嶋田 080-1328-3014)
                 さいたま市 いしがき
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