関西電力の家庭向け電気料金が6月から値上げされる。月8058円の標準料金が、8220円に上がる見込みだ。

13年5月に10%近く値上げしてからわずか2年。再値上げに踏み切る理由として、関電は原発が動かせず、火力発電の燃料費が膨らんだ影響をあげる。

だがこの間、どこまでコストを削減し、値上げを回避する努力をしたのか。国の審査や公聴会でのやりとりからは、本気さが伝わってこなかった。

一例が役員報酬だ。前回値上げ時、国は平均1800万円に下げるよう求めたのに、関電は昨年末まで2100万円にとどめていた。審査での批判を受け、社長は一昨日、1600万円に下げると表明した。

もともと関電は4月から10%超の値上げを望んでいた。国は結局、経営努力の余地がまだまだあるとして、値上げ幅を8・36%に圧縮した。

電気料金の上昇は暮らしを直撃する。最大限のコスト削減を自ら示すのは大前提だ。

東京電力福島第一原発の事故後、原発はもとのように再稼働できる状況にない。

発電量の5割を原発が占めた関電は、脱却の道も探るべきではないか。それなのに保有11基中、9基を使い続けるという。嵐が過ぎるのを待つかのように、業績回復の期待をひたすら再稼働にかけているようだ。

福井地裁は先月、住民らの訴えを受け、高浜原発の再稼働を禁じる仮処分決定を出した。福井県の周辺地域を中心に、再稼働への反対は強い。社会環境の変化を、もっと厳しく受け止めるべきだ。

関電の直近の経営計画には、最新鋭の火力発電所の建設や再生可能エネルギーの導入に取り組む方針が盛り込まれた。それが本気なら、いっそ国の議論に先行し、関電としての将来の電源構成案を示してはどうか。

10年に出した長期成長戦略で、関電は原発を中心とした非化石電源の比率を30年に6~7割に上げるとしていた。原発事故を受け、見直すのは当然だ。

今後の10年、20年で原発依存度をどう下げていくか。数値目標が示されれば、是非を建設的に議論することもできる。

来春からは電力小売りが完全自由化され、家庭でも購入先を選べるようになる。すでに自由化されている産業用では、値上げした関電との契約をやめ、新電力に乗り換えた企業や自治体が昨年度、5千件を超えた。

時代に合わせて経営構造を変える姿勢がなければ、関電離れはさらに加速しかねない。