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特集ワイド:「戦後70年談話」は必要か 安倍首相が「村山」修正の構え by limitlesslife

毎日新聞 2015年01月29日 東京夕刊

 ◇中韓だけでなく米国も注視/村山元首相「談話は国是、極端な修正できない」

「(戦後)70年談話は70年談話として新たに出したい」−−。安倍晋三首相がそれの作成に向け、従来の「村山談話」などで使われた文言の継承に否定的な考えを示し、波紋を呼んでいる。8月にも発表されるという新談話は、そもそも必要なのか。出すとしたら、何を守るべきなのか。【田村彰子】

「キーワードは極めて大きな意味を持っている」

公明党の山口那津男代表は25日に出演したNHK総合の「日曜討論」で、安倍首相にクギを刺した。キーワードとは、戦後50年の村山富市首相談話で使われた▽植民地支配と侵略▽アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた▽痛切な反省▽心からのおわび−−などを指す。歴代の内閣が継承し、戦後60年の小泉純一郎首相談話でも使われている。しかし安倍首相は同番組で、自らが出そうとしている70年談話でも同じようにするかと問われ、「そういうことではない」と語ったのだ。

近隣諸国は早速、懸念を表明した。一方、米国の新談話への関心はもともと高い。米国務省のサキ報道官は「こうした謝罪(村山談話や1993年の河野洋平官房長官談話)は日本が近隣諸国との関係改善に努める上で重要な一章だった」と述べ、米議会調査局の報告書も「安倍首相が戦後70年にどう向き合うか、国際社会が注視することになる」と指摘した。首相がキーワード踏襲に否定的な今、より米国の関心が高まることは必定だ。

「米国は国防費を削減しようと、新しい国防・軍事戦略を打ち出しています。沖縄の海兵隊をグアムに移転する計画もあります。しかしそれも、東アジアの安定が大前提。朝鮮半島有事などに備える米国にとって韓国は大事な同盟国だし、中国も経済的に密な関係。日本には、事を荒立ててほしくない」。外交問題に詳しい情報誌「インサイドライン」編集長の歳川隆雄さんはそう解説する。

安倍首相が靖国参拝をした際も、米国は異例の早さで懸念を示した。「歴史認識は中国や韓国にとって譲れるものではない。米国は、新談話で安倍首相の考えを強く打ち出すべきでないと思っていますよ」。首相は米国の反発を受けてでも、独自色にこだわるのか。

上智大教授の中野晃一さん(国際政治学)によれば、村山談話は国際社会の中で完全な謝罪と認識されているという。「単刀直入に何が悪かったかに言及し、その上で謝罪をしている。近隣諸国はもちろんですが、米国や欧州を含むかつての連合国側でも、村山談話の中身で何か足りないと言う人はいません。戦後100年などの新たな節目だったら仕方ないかもしれませんが、今、新たに何かを言う意味は薄いと思います」

実際、戦後30年や40年では談話は出ていない。小泉元首相が戦後60年談話を出した際には、靖国参拝などが問題化していた。「小泉談話には、村山談話を改めて踏襲してダメージを回復する意味がありました」。一方、今回は「安倍首相には70年の区切りを使って何か言いたい思いがあり、心は村山談話の踏襲にはないのが透けて見える。そこに、米国を含めて今まで以上に注目を集めてしまう理由がある」と指摘する。

「未来志向の談話」と首相が繰り返すことにも、違和感があるという。「終戦や敗戦の区切りに何かを言うなら、過去とどう向き合うかに力点を置かざるを得ません。安倍首相のように『積極的平和主義』を掲げ、これからいろいろやりますよって話ばかりだと、普通は『過去のことは反省していないんだな』と思われますよね」と話す。

いつも比較されるのは戦後ドイツの姿勢だ。「ドイツはポーランドやイスラエルに徹底した謝罪をしているから、国際社会で信頼を勝ち得ている。既に北大西洋条約機構(NATO)の枠組みで海外にも派兵していますが、それは謝罪し続けているから可能なこと。米国だけではなく欧州諸国も、日本が過去と向き合って今のパートナーとして信頼に足る国か、注視していますよ」。言うまでもなく中国や韓国との関係改善も前提だ、と強調する。

「そもそも、誰よりも村山談話に助けられてきたのは安倍首相自身だったはずです。首相の歴史認識を心配している人たちでも、村山談話を引き継ぐという意味の言葉を聞いて安心していましたからね」

東大教授の牧原出さん(政治学)は、談話のまとめ方にも疑問を抱いている。菅義偉官房長官はこれまでの記者会見で、有識者会議の設置を検討していることを明らかにしている。「有識者として会議に出席するには、使命感が必要です。その使命感とは、よほど村山談話を修正したいか、もしくは現在の国際関係に危機感を抱いているかでしょう。ですが、国際関係への危機感があるだけなら、尖閣諸島の防衛を強化するとか、具体的な対抗策を提言するのではないでしょうか」。となると、人選は村山談話を「修正」したい人に偏る恐れがある。「ただ、それでは国民的な議論にはならない」

一方、幅広い考え方の人を集めた場合にも不安が残る。「いわゆるリベラルな人も入れないと、お仲間同士の話し合いにしか見えません。議事録の公開も、もちろん必要です。しかし、そうした人選だと意見が割れてまとまらないかもしれません」。そうなると、議事録も公開できない状況に追い込まれる恐れすらある。牧原さんは言う。「このような談話は、どこからともなく国民が納得できるものが出てくる形がよいのです。今まで通りこっそり有識者の意見を幅広く取り入れながら、官僚主体で作った方が効果的ではないでしょうか。有識者会議を国民的な議論の場にしたいとの気持ちだとしても、リスクが大きいと思います」

忘れてならないのは「村山談話」が自民、社会、さきがけの3党連立政権下で発表されたことだ。当時の政府高官の一人は「あの談話は、自民党単独でも社会党単独でもなく、いろんな思想の人たちが集まって決定しました。自民党には歴史認識について信念のある人が多くいましたが、その彼らも最後は何も言わず、閣議通過を認めたのです。村山さんの熱意が大きかったのは確かですが、決して個人の思想などではなく、心ある政治家たちや行政の人たちの思いが一つになった内閣総理大臣談話なんですよ」と振り返る。

その村山元首相は今、こう語る。「あの談話はその後の内閣もすべて継承してきた。ある意味で国是にもなっている。それを極端な形で修正することはできないと、僕は思っておるんじゃけど……」

果たして安倍首相は、どれだけの事態を想定しているのだろうか。



「731部隊」展示撤去 京大医学部資料館 by limitlesslife
May 21, 2014, 1:40 pm
Filed under: 731部隊

M,nakataです。

 

戦前から、戦後・現在につづく 、

日本の官僚・医学部体質の問題ですね

 

Web記事より、下記抜粋ご紹介.

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「731部隊」展示撤去 京大医学部資料館

 

 

京都新聞 5月20日(火)8時29分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140520-00000000-kyt-l26

 

 

「731部隊」を説明するパネルが展示されていた完成当初の京都大医学部資料館(2月11日、京都市左京区)

2月に完成した京都大の医学部資料館(京都市左京区)で、戦時中に同大学の医師が関与して細菌兵器を開発していた旧日本軍731部隊を説明する展示パネルが、すぐに撤去されていたことが、19日分かった。

資料館は「通常の展示替え」としているが、他に展示が変更されたのは所有者から使用要請があった医療器具などわずかで、「負の歴史と向き合う展示と評価していたのに、撤去には驚いた」と疑問の声が出ている。

同資料館は、旧解剖学講堂を改修した基礎医学記念講堂内に併設。野口英世の博士論文など、医学部ゆかりの資料約50点が並ぶ。予約制で見学者を受け入れている。
731部隊の展示は2008年刊の「京都大医学部病理学教室百年史」から引用したパネル2枚。部隊長の石井四郎ら医学部出身者の関わりを、文献を示して解説。731部隊の「発祥の主たる舞台となった京都大学医学部としても検証が必要なのでは」と指摘していた。同資料館の管理担当者によると、完成記念式典の後ほどなく撤去したという。
( 一部省略)

パネルを再展示するかは未定という。
▼ 医師の戦争責任について訴えてきた京都府保険医協会の垣田さち子理事長(66)は、「あまりに撤去が早すぎ、隠蔽(いんぺい)を疑う。戦争中の行為を知らないままでは済まされず、学ぶ機会が失われ残念」としている

731部隊 旧関東軍防疫給水部の通称。部隊長は石井四郎で「石井部隊」とも称される。1936年に発足、中国東北部のハルビン郊外に本部を置き、極秘に細菌戦を研究した。「マルタ」と呼ばれる中国人らの捕虜で人体実験を行い、ノミを使ったペスト菌散布など細菌兵器の開発などを進めたとされる。

最終更新:5月20日(火)9時39分