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国連第一委員会、劣化ウラン兵器被害国への支援を呼びかける新決議案、前回を上回る賛成多数で採択(11.3) by limitlesslife
November 4, 2014, 10:52 pm
Filed under: DU(劣化ウラン弾)

【国連第一委員会、劣化ウラン兵器被害国への支援を呼びかける新決議案、前回を上回る賛成多数で採択】2014年11月3日

先日お知らせしましたように、ニューヨークで開催されている第69回国連総会の第一委員会(軍縮・安全保障関連)に、非同盟運動(NAM)諸国により、「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用による影響」(「劣化ウラン兵器国連決議」)に関する決議としては五回目となる新決議案が提案され、10月31日、圧倒的な賛成多数で採択されました。前回2012年二の第4回国連決議には、「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)の働きかけもあり、「予防的アプローチ」が前文に盛り込まれました。今回の第5回決議には、さらに「被害国への支援の奨励」が項目として追加されました。

前回の同決議の第一委員会採択では、「賛成138 反対4 棄権28」でしたが、今回は「賛成143 反対4 棄権26」となり賛成票が少しですが増えています。日本政府は前回に引き続き、賛成票を投じました。反対は、依然としてアメリカ、イギリス、フランス、イスラエルの4カ国です。今回初めてスエーデンとブルガリアが、「棄権」から「賛成」に転じました。一方、ドイツが初めて「賛成」から「棄権」に態度を変更しました。

ICBUWでは、今回の「国連決議」に向けて、イラクにおける劣化ウラン汚染の現状と、劣化ウランの遺伝毒性に関する二つの「報告書」を準備しました。そして10月中旬から第一委員会にあわせ、国際事務局(英国)のコーディネーターDoug Weir、オランダの運営委員Wim Zwijnenburg、日本の運営委員の振津が、ニューヨークの国連でロビー活動を展開し、特に前回「棄権」した国々に積極的に会って賛成を促し、前回よりも多くの賛成票での決議採択を目指しました。また第一委員会のサイド・イベントとして二つの「報告書」を紹介するセミナーを開催しました(初めてノルウェー政府の支援で開催)。

すでにご紹介したように、今年8月、イラク政府は初めて「ウラン兵器に関する政府見解」を国連事務総長に提出し、被害国として劣化ウラン兵器の人体と環境への危険性に対する懸念を表明し、同兵器の使用・保持・移送の国際禁止条約案作成に国際社会が努力すべきだと主張しました。10月の第一委員会の各国の意見表明の中では、イラクだけでなく、コスタリカ、メキシコ、オーストリア、アイルランドなどの国々が、同兵器の健康・環境影響調査や被害国への支援の必要性ついて言及しました。またICBUWとしては今回初めて、他のNGOとともに第一委員会の中で各国政府代表に向けて独自の「声明」述べる機会を与えられました。

このような一連の動きの中で、今回初めてスエーデンとブルガリアが、「棄権」から「賛成」に転じたのだと思います。特にスエーデン政府の立場の変化は、同国内でのICBUW賛同市民団体の地道な働きかけが大きかったのは言うまでもありません。

残念ながら「賛成」から「棄権」に態度を変更したドイツは、決議前文で言及されている劣化ウランの「潜在的危険」 (potential hazards)の部分に難色を示す意見が以前から政府内にあったのですが、そのような意見が「政府内で優勢になった」ためと伝えられています。ドイツ国内のICBUWメンバーであるIALANA(国際反核法律家協会)やIPPNW(核戦争防止国際医師会議)のドイツ支部などは、12月の国連総会での投票までに国内での抗議と政府への圧力を強めるとのこと。

残念ながら国連決議には、私たち市民が望む「モラトリアム」「禁止」などがすぐには盛り込まれないのが実情ですが、少しでも前進した内容で多くの国々の賛同を獲得し、禁止に向けた国際的な流れにつないでいくことが重要です。

11月「国際共同行動デー(月間)」の中でも、このような国際的動きを紹介し、世界の運動と連帯し、各地でウラン兵器禁止を求めて取り組んでおられる皆さんとともに、劣化ウラン兵器禁止への世論を日本国内でも高めていきたいと思います。

今後ともご協力よろしくお願いします。

嘉指信雄、森瀧春子、振津かつみ
ウラン兵器禁止を求める国際連合(ICBUW)運営委員

下記もあわせてご参照下さい。
ICBUWウェブサイト(英文):
http://www.bandepleteduranium.org/en/index.html

MLホームページ: http://www.freeml.com/icbuw-japan

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イラク、劣化ウラン弾禁止を訴える意見書、国連に提出 by limitlesslife
August 8, 2014, 12:56 pm
Filed under: DU(劣化ウラン弾)

イラク、劣化ウラン弾禁止を訴える意見書提出
 劣化ウラン弾問題に関する国連決議の要請に応えてイラクが初めて提出した国連事務総長宛意見書の中で、劣化ウラン弾禁止を訴えています。
 劣化ウラン弾問題に関する意見を加盟国及び関連機関に問う国連決議は、2008年、2009年、2010年、それに2012年と4度、採択されてきていますが、イラクがこうした意見を提出したのは初めてであり、きわめて大きな意義を有します。今年の秋の国連総会では、こうした加盟各国からの意見を基に、5度目の劣化ウラン決議が提出される見込みです。劣化ウラン弾禁止に向け、大きく前進することが期待されます。詳しくは、下記のICBUWホームページをご覧ください。
IRAQ CALLS FOR GLOBAL TREATY BAN ON DEPLETED URANIUM WEAPONS
For the first time in more than a decade, Iraq has publicly called for an international ban on DU weapons, in a report submitted to the UN Secretary General ahead of this year’s UN General Assembly.

http://www.bandepleteduranium.org/en/iraq-calls-for-treaty-ban-on-depleted-uranium

in “International Coalition to Ban Uranium Weapons”
Publishing date: 7 August 2014

『劣化ウラン弾−−軍事利用される放射性廃棄物』
              (岩波ブックレット、2013)
『終わらないイラク戦争––フクシマから問い直す』
              (勉誠出版、2013)


イラク、劣化ウラン弾禁止を訴える意見書、国連に提出 by limitlesslife
August 8, 2014, 3:38 am
Filed under: DU(劣化ウラン弾)

イラク、劣化ウラン弾禁止を訴える意見書提出
 劣化ウラン弾問題に関する国連決議の要請に応えてイラクが初めて提出した国連事務総長宛意見書の中で、劣化ウラン弾禁止を訴えています。
 劣化ウラン弾問題に関する意見を加盟国及び関連機関に問う国連決議は、2008年、2009年、2010年、それに2012年と4度、採択されてきていますが、イラクがこうした意見を提出したのは初めてであり、きわめて大きな意義を有します。今年の秋の国連総会では、こうした加盟各国からの意見を基に、5度目の劣化ウラン決議が提出される見込みです。劣化ウラン弾禁止に向け、大きく前進することが期待されます。詳しくは、下記のICBUWホームページをご覧ください。
IRAQ CALLS FOR GLOBAL TREATY BAN ON DEPLETED URANIUM WEAPONS
For the first time in more than a decade, Iraq has publicly called for an international ban on DU weapons, in a report submitted to the UN Secretary General ahead of this year’s UN General Assembly.

http://www.bandepleteduranium.org/en/iraq-calls-for-treaty-ban-on-depleted-uranium

in “International Coalition to Ban Uranium Weapons”
Publishing date: 7 August 2014

『劣化ウラン弾−−軍事利用される放射性廃棄物』
              (岩波ブックレット、2013)
『終わらないイラク戦争––フクシマから問い直す』
              (勉誠出版、2013)


「イラク戦争における民間地域でのDU弾大量使用。オランダのNPO、情報公開法用い情報入手」(ガーディアン、6/19) by limitlesslife
June 22, 2014, 11:27 am
Filed under: DU(劣化ウラン弾)
[転送・転載歓迎。重複受信される方、ご容赦ください]
「イラク戦争において米軍は、民間居住地域で劣化ウラン弾を使用。
一般市民への危害を禁じた国際法などに違反
——オランダNPO、情報公開法で位置情報など入手」
『ガーディアン・オンライン』2014年6月19日(以下、抄訳)
 2003年のイラク戦争において、米軍の攻撃機や戦車によって発射された劣化ウラン弾はおよそ1万発に上ったこと、またその位置情報が明らかとなった。PAXがまとめた報告書によれば、これら1万発の劣化ウラン弾は、サマワ、ナシリヤ、バスラなどを含む、人口密集地帯か、その周辺で使用されている。また、1,500発は、戦車などの標的ではなく、軍隊を標的として発射されている。
 こうした事実は、一般市民への危害を禁じた国際法、および、米空軍による「劣化ウラン兵器は、戦車や装甲車など、硬性の標的にのみ使用されるべきである」とする指示(1975年)にも違背するものであると、今回の報告書は指摘している。
 劣化ウラン弾発射のGPS座標(位置)情報、標的リスト及び発射数とともに情報提供したもので、オランダ軍が昨年駐留した地域の劣化ウラン汚染を懸念したオランダ国防省の要請に対し米軍が与えてあったものを、今回、PAXが情報公開法を利用して入手したものである。
 米国防省は、今回の情報公開に関するコメントの要請に応えていないが、ある軍事的関係者は、軍事的標的に関するこうした大変センシティヴな情報をオランダ国防省が公開したことに「驚いている」と述べている。
 PAXによれば、今回の情報公開は、劣化ウラン問題に関する「情報の透明性」を高める第一歩ではあるが、イラク戦争では30万発を越える劣化ウラン弾が使用されたと推定されている。なお、1991年の湾岸戦争においては、約78万発の劣化ウラン弾が米軍によって使用されている。[これは、湾岸戦争だけで、300トン以上の放射性廃棄物・劣化ウランが環境中に拡散されたことを意味する。]PAXによれば、イラクでは、劣化ウラン弾によって300個所が汚染されている。
[今回の『ガーディアン』記事の原文全文は、下記サイトを参照:
 また、PAX報告書 ”Laid to Waste: depleted uranium contaminated military scrap in Iraq”(June 20, 2014)は、下記サイトを参照:
 『終わらないイラク戦争/フクシマから問い直す(勉誠出版、2013)
『劣化ウラン弾/軍事利用される放射性廃棄物』(岩波ブックレット、2013)


「イラク戦争における民間地域でのDU弾大量使用。オランダNPO、情報公開法で情報入手」(ガーディアン、6/19) by limitlesslife
June 22, 2014, 2:45 am
Filed under: DU(劣化ウラン弾)

[転送・転載歓迎。重複受信される方、ご容赦ください]
「イラク戦争において米軍は、民間居住地域で劣化ウラン弾を使用。
一般市民への危害を禁じた国際法などに違反
——オランダNPO、情報公開法で位置情報など入手」
『ガーディアン・オンライン』2014年6月19日(以下、抄訳)
 2003年のイラク戦争において、米軍の攻撃機や戦車によって発射された劣化ウラン弾はおよそ1万発に上ったこと、またその位置情報が明らかとなった。PAXがまとめた報告書によれば、これら1万発の劣化ウラン弾は、サマワ、ナシリヤ、バスラなどを含む、人口密集地帯か、その周辺で使用されている。また、1,500発は、戦車などの標的ではなく、軍隊を標的として発射されている。
 こうした事実は、一般市民への危害を禁じた国際法、および、米空軍による「劣化ウラン兵器は、戦車や装甲車など、硬性の標的にのみ使用されるべきである」とする指示(1975年)にも違背するものであると、今回の報告書は指摘している。
 劣化ウラン弾発射のGPS座標(位置)情報、標的リスト及び発射数とともに情報提供したもので、オランダ軍が昨年駐留した地域の劣化ウラン汚染を懸念したオランダ国防省の要請に対し米軍が与えてあったものを、今回、PAXが情報公開法を利用して入手したものである。
 米国防省は、今回の情報公開に関するコメントの要請に応えていないが、ある軍事的関係者は、軍事的標的に関するこうした大変センシティヴな情報をオランダ国防省が公開したことに「驚いている」と述べている。
 PAXによれば、今回の情報公開は、劣化ウラン問題に関する「情報の透明性」を高める第一歩ではあるが、イラク戦争では30万発を越える劣化ウラン弾が使用されたと推定されている。なお、1991年の湾岸戦争においては、約78万発の劣化ウラン弾が米軍によって使用されている。[これは、湾岸戦争だけで、300トン以上の放射性廃棄物・劣化ウランが環境中に拡散されたことを意味する。]PAXによれば、イラクでは、劣化ウラン弾によって300個所が汚染されている。
[今回の『ガーディアン』記事の原文全文は、下記サイトを参照:
 また、PAX報告書 ”Laid to Waste: depleted uranium contaminated military scrap in Iraq”(June 20, 2014)は、下記サイトを参照:


11月16日(土)、 「劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー・東京集会」 by limitlesslife
November 14, 2013, 3:35 am
Filed under: DU(劣化ウラン弾)
[転送・転載歓迎。重複受信される方、ご容赦ください」

「劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー・東京集会」
11月16日(土)、開場13:00   開会13:30
会場 スペースたんぽぽ
東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4階
 (Tel:03-3238-0056   13:00~20:00)
講演
 嘉指信雄(ICBUWヒロシマ・オフィス代表、神戸大教授)
『国際禁止キャンペーンの現状と展望ー
ICBUW創設10年を迎えて「イラクにおける先天性障害に関するWHO予備調査」問題を中心として
 山崎久隆(たんぽぽ舎、劣化ウラン研究会代表)
『汚染水漏洩もう一つの危機  建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ』

 



「WHOはイラクの放射能汚染悪夢を、いかに隠蔽しているか―『ガーディアン』10月12日 by limitlesslife
October 15, 2013, 1:36 am
Filed under: DU(劣化ウラン弾), U.S.A.

[転送・転載歓迎。重複受信される方、ご容赦ください]

皆様
 昨日、『ガーディアン』オンライン版に掲載になった記事の抄訳です。ご参考までに。  嘉指信雄、ICBUW運営委員
***
「WHOはイラクの放射能汚染悪夢を、いかに隠蔽しているか――
戦後の環境汚染・健康被害の惨状に関する科学的証拠をもみ消すためになされた政治的介入を、元国連職員たちが明かす」
Dr. Nafeez Ahmed,
Executive director, the Institute for Policy Research & Development
[以下、抄訳]
 先月、WHOは、イラクにおける先天性障害(CBD)発症率に関する調査結果の概要——その発表が長らく待たれていたものだが——を公表した。多くの専門家は、イラクにおける先天性障害の増加は[米・英]連合軍による劣化ウラン弾の使用と関係があると考えている。
 今回発表された「概要報告」によると、「自然流産、死産、先天性障害の率は、国際的な推定値に一致するか、あるいはそれよりも低いものである。調査結果は、イラクにおける先天性障害発症率が異常に高いと示唆する明確な証拠を提供するものではない」。WHOイラク・ミッションのヘッドであるジャファール・フセインは、今回の報告は、「世界的に認知された」調査方法に基づくものであり、国際的な専門家たちによって「広く」査読されたものだと述べた。
前言撤回
 しかし、今回の報告の結論は、調査に関わったイラク保健省(MOH)係官たちが調査結果について述べていたことと大きく異なる。
 今年初め、BBCニュースは、イラク保健省の調査官たちと話をしたが、その際、彼らは、イラク保健省とWHOによる共同報告書は、2003年の戦争で激しい戦闘を経験した地域における出生異常の増加を示す「のっぴきならない証拠」を提示するものとなるだろうと認めていた。
 WHOも同様に、初期のプレス・リリースにおいては、調査のために選ばれた「ハイリスク」地域における「先天性障害が多いことをイラク保健省の統計は示していること」を認めていた。
 WHOのホームページで公表された「概要報告」に対しては、独立した専門家たちや、国連やWHOの元係官たちから、調査結果の妥当性や、報告書執筆者が匿名にされていることに関して疑問が出されている。[中略]
 何年にもわたりイラクの医師たちは、「高レベルの出生異常」を報告してきているし、いくつかの査読付き研究は、米国の爆撃を受けた地域における、幼児死亡率、がんや白血病の劇的な増加を立証している。
ファルージャの医師たちは、「前例のない数多くの」心臓病や神経系障害の増加に直面している。2003年以前と現在のデータを比較分析すると、先天性心臓障害の発症率は、1000の出生あたり95ケースであり、ヨーロッパにおける率の13倍となっている。
 WHO調査の目的は、こうしたデータをさらに徹底的に調べることにあったのだが、このプロジェクトには大きな欠陥があると指摘されている。
政治化した科学
 東フィンランド大学の環境科学部のキース・ベイヴァーストック博士は、WHOの放射線健康部門に13年務めた経験をもつ。博士によれば、「この報告書は科学的なものとは言えず、最もレベルの低いジャーナルでも査読に通らないだろう。方法的問題が沢山あるが、その一つは、イラクの病院が持っている医学的記録を見ようとさえしていないことだ。(中略)その代わり、報告書は、診断の基礎として、母親たちへのインタビューに焦点を絞っているが、母親たちの多くは、トラウマを経験しており、その記憶は不確かで、診断の基礎とするには相応しくない」。(中略)「この報告書が作成された仕方はきわめて疑わしい。米国と英国の役割に関して疑問符がつけられる。出生異常の増加と劣化ウランの関連を確証づける事実が見つかれば、補償問題になるだろうから、こうした調査は両国の利害と衝突するものだ。両国は、劣化ウランが使用された地点に関する情報公開に関しては、異常の増加との相関関係をさらに明確にすることになるかもしれないので、とても消極的なのです」。(以下略)
***
 さらに、『ガーディアン』の今回の記事は、イギリスの医学専門誌『ランセット』に最近掲載された同様の批判記事や、東京に拠点をおく「ヒューマン・ライツ・ナウ」がまとめたファルージャにおける先天性障害の増加に関するリポート、さらには、国連で事務総長補佐及びイラクへの人道支援コーディネーターを務めたことのあるハンス・フォン・スポネッック氏の批判的コメントなどを取り上げている。特にスポネック氏は、イラクにおける劣化ウランの影響を調査しようとするWHOの試みが米国によって押し潰されてきていると明言している。(以上)
 ICBUWヒロシマ・オフィス
      岩波ブックレット『劣化ウラン弾 軍事利用される放射性廃棄物』
   (嘉指信雄、振津かつみ、佐藤真紀、
         小出裕章、豊田直巳/2013年8月)