後藤政志・大飯原発再稼働問題(動画)

Unchain: ☆牧村しのぶのBlog☆

2012年04月09日

後藤政志・大飯原発再稼働問題(動画)

後藤政志氏(元東芝・原子炉格納容器設計者、工学博士)の語る大飯原発再稼動問題の
動画をご紹介します

後藤政志による大飯原発再稼働問題@APAST『このままでは日本は世界から馬鹿にされる』
http://www.ustream.tv/embed/recorded/21630934

内容文字起こし
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3358684.html
要点
・ストレステスト導入の経緯
・『福島並み』の耐震とはどういう意味か
・多重防護への姿勢
・30項目の意味
・政府の指示した『新安全基準』
・フェールセーフの破綻
・計測系について本当に改善すべきことは
・水素爆発のシーケンスと原子炉型による問題点
・再稼働プロセスの異常さ
・異常なプロセスでの再稼働が何をもたらすか
・大切なことは
http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/6080553.html

以下一部抜粋です

若狭湾の地域というのは非常に入り組んだ、ちょうど三陸海岸と似たような海岸になってるんですね。非常に細い道路が繋がっていて、距離は近いんだけど非常に行きにくいんです。・・・避難する場合にも大変だし、支援することも非常に難しいです。一つの道路が遮断されたらどうしようもないですね。
・・・・・
ですから、基本的にはプラントの中でガードできる、そういうふうに設計を変えるべきだ。・・・ところが原発は、プラント自身を変えてない・・・。

一次評価というのは炉心溶融までなんですが、それ以降の例えば水素が出て爆発してしまうとか、それから格納容器からベントしなけりゃ漏れてしまうとか爆発してしまうとか、そういうことについては評価の対象外なんです。

外的な地震・津波というようなものを想定するときに、今まで決定的にそこが間違ってたわけですから、その反省がないままに「これで安全」なんてことは絶対言えないんです。

原子力プラントというのは、想定してその想定どおりにならない、・・・安全装置が突破される可能性がある。確率が小さくても。それを突破されたら次のところでガードする。つまり多層防護というのをやるんです。・・・津波に対して、今度浸水したらどうで、電源が無くなったら、冷却がどうなるか、格納容器が・・・これは多層防護してるんですよ。それで安全性を議論してるのに、後ろ側の多層防護をやらなかったり、これは「中長期的な課題です」、具体例でいいますと、例えば「格納容器からベントしなければいけない。その時にはやはりフィルタがいるでしょう」という話になっていた。・・・そのことの対策を「これは中長期的な課題として、あとでやればいい」というふうにあとに送ってるんですね。

技術的な知見として今まで評価してきた30項目あります。・・・外部電源の話、それから所内の電気設備、冷却注水設備の話、格納容器の破損とか水素の爆発の話、管理、計測系、だいたいそういう項目に分けて30項目ある。

ですけど、『対策』という面においては、全然抜本的じゃないんです。『できそうなこと』をやってます。

それを受けて、『新基準』なるものはどうかと開いてみたら、今言われてることは30項目のうち13項目。ほとんどこれは何もしないでもできてるものです。

特に、マークI型の格納容器に弱点があることは明らかだし、沸騰水型はもしかすると格納容器が小さい、圧力抑制プールが働かないとそうなるという問題がわかってる。それから、多様性・多重性から考えると、冷却系でも電源が無いときに働くはずのアイソレーションコンデンサは蒸気駆動で電源が無くても働くはずだったんですね。ところが働かなかった。その時には、アイソレーションコンデンサは格納容器のところを貫通して、突き抜けて配管が出てますから、そこのところで電源が落ちた途端に隔離機能が働いて格納容器を隔離する。これは安全上重要なことなんですが、隔離機能が働いたことによって冷却が自らできなくなっちゃったんです。
・・・・・
そういう基本的な問題に関して、設計の基本にまで戻って議論してない。せいぜいバルブが壊れた時にオープンにするかクローズにするかってそういう議論だけを委員会の中でやってるんです。・・・そんなレベルの話をしてたんでは、また再発するのは目に見えてるんですね。

水位計問題っていうのはものすごくでっかい問題で、水位計そのものだけでプラント止まっちゃうんですよ。そういうことに対する反省が全く見えないでしょ?
それでもって、なんかワイワイと外から電源車だとか、放水がどうだとかポンプだとか、このレベルをしてるのでは、原子力の安全性を議論してるとは全く見えません。

大飯原発でいうならば、大飯は加圧水型の大きな格納容器ですから、中には窒素封入してません。「容器が大きいので、水素が出ても爆発しない。爆発限界までいかない」と言ってるんです。・・・私はそれはすごく楽観的すぎると思います。
・・・・・
そういう対策について正面から議論なされて、徹底的に対策がとられてるかというと、まともな議論さえしてない。

自ら言った『原子力規制庁』ができてない。
耐震設計・安全設計審査指針も安全委員会としては「改定すべきだ」といってても何もしてないまま。
ストレステストという、それでは安全性の評価もできてないということも言ってる。それをただやってるだけ。しかも2次評価もやってない。
それをもって、「安全だ」と言おうとしてる。
こうすると、先ほど申し上げました、 日本では原子力の専門家、或いはそこを規制する立場、或いはそれを評価する側としては一切安全だと言ってないままに、『政治的にGO』をかけようとしてるわけです。

Posted by 183 at 23:32  | エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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