国民愚弄の人事にア然…第3次安倍改造内閣は短命に終わる

 第3次安倍改造内閣が7日、発足したが、閣僚名簿を見てハッキリわかったことがある。

この内閣は長くない。そして、最後の安倍内閣になるだろう、ということだ。

安倍首相は改造後の記者会見で「未来へ挑戦する内閣だ」「(この内閣で)未来を切り開く」と豪語、「経済政策を一層強化する」「世界の中心で輝く日本をつくりあげていく」と大仰なセリフを吐いた。その言葉と閣僚人事の落差には国民も唖然としたのではないか。

すでに破綻が明らかになっているアベノミクスの戦犯経済閣僚をそのまま留任させて、何が「経済優先」なのか。自分の派閥から4人を起用し、「お気に入り」と「お仲間」優先をエスカレートさせた人事で、何が「未来への挑戦」なのか。その他の新閣僚人事にも薄汚い派閥対策の政略が透けて見えて、適材適所とは程遠い布陣だ。

 それなのに、仰々しいセリフで自画自賛する安倍首相には「国民を愚弄するな」と言いたくなる。もともと、舌先三寸のぺテン・イカサマ政権がますます、傍若無人化している。国民はそれに辟易しているのに、安倍首相は気づかない。こういう人事をすること自体、ヤキが回っている証拠で、だから、この内閣は長くないと言い切れるのだ。

「一言でいえば、意味不明内閣ですね。1億総活躍というスローガンも具体性がなく、よくわからない。とにかく、安保法案の強行で吹き荒れている逆風を沈静化させ、ほとぼりを冷まして、来年夏の参院選まで安全運転で乗り切りたい。こんな思惑なのでしょう。だから、中途半端な人事になる。自分のお友達のうち、大臣経験のない人を優先的に登用しただけの人事で、とてもじゃないが、長期政権を見据えたものとは思えません」(政治学者の五十嵐仁氏)

こんな改造内閣で内外に山積する危機的問題に対処できると思っているのか。だとしたら、早晩、そのツケは回ってくる。

目玉の1億総活躍相に“身内”登用のいかがわしさ

「広い視野と強い突破力が必要」とまで宣言した重量級閣僚がコレだ。唯一の目玉とされた1億総活躍相が、首相側近の加藤勝信官房副長官の昇格とは国民もズッコケたのではないか。

安倍首相の外遊時に後ろに立つ姿を見るだけで、ほとんど無名の加藤氏の名がクローズアップされたのは、あの「マスコミを懲らしめる」発言のチンピラ勉強会の後見役をやっていたことぐらいだ。元大蔵官僚で役人の習性には通じているのかもしれないが、当選6回以上の入閣待機組がゴロゴロいる中で、当選5回の加藤氏が初入閣できたのは、ズバリ安倍首相の“身内びいき”の最たるものだ。

「自民党内では『ああ、ゴッドマザー人事だね』ってみんな言っていますよ。加藤さんは加藤六月元農相の娘婿。元農相の妻で加藤さんの義母にあたる睦子さんは、安倍首相の母の洋子さんと親しく、2人は以前から加藤さんの初入閣を期待していた。母親たちの望みをかなえてあげたというわけで、安倍家と加藤家のための人事ですよ」(自民党ベテラン議員)

 もっとも加藤氏の上昇志向は相当のものだ。

「加藤さんは加藤六月氏の娘婿として後継者になるため、まず長女と婚約したのですが、それが破談になると次女と結婚した。ちなみに長女、つまり現在、加藤氏の義姉にあたる康子さんは、明治の産業革命遺産の世界遺産登録に関し、内閣官房参与に就任しています」(永田町関係者)

いやはや、安倍首相の政権私物化は看過できない域に達している。

政治評論家の野上忠興氏はこう言う。

「加藤さんは安倍さんに従順で抵抗をすることはないでしょうから、安倍さんのメンツをつぶしたり、恥をかかせることはない。安倍家と加藤家の関係もあるし、看板大臣として据わりがよかったのでしょう」

加藤氏の後釜の官房副長官にはこれまた安倍首相子飼いの萩生田光一氏。“情実人事”ばかりで、自民党内もシラケムードだ。

※この記事の続きは、本日(10月8日)発売の日刊ゲンダイ紙面で読めます。

今、あなたにオススメ
Categories アベノミス

Leave a comment

search previous next tag category expand menu location phone mail time cart zoom edit close