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日露どこへ /上(その1) 首相、読み違え 「2島返還」観測、11月会談で霧消 by limitlesslife
December 18, 2016, 7:57 am
Filed under: アベノミス, プーチン, 日露

/上(その1) 首相、読み違え 「2島返還」観測、11月会談で霧消

日露首脳会談のため首相官邸に到着し安倍晋三首相の出迎えを受けるロシアのプーチン大統領(左)=2016年12月16日午後1時48分、川田雅浩撮影

 「ロシア人の島民を脅かすようなことはしないでもらいたい」。ロシアのプーチン大統領が昨年までの安倍晋三首相との会談でこのフレーズを繰り返していたと首相周辺は明かす。日本政府はこの発言について、北方領土に住むロシア人の生活が保証されるなら、返還に応じる用意があるとのメッセージと受け止めた。

 どこに国境線を引くかの交渉を繰り返しても結果は出ない。日露が共存する姿を模索しよう--。首相は今年に入り、北方四島の帰属確認に固執しながら交渉を取り仕切ってきた外務省のロシア専門家から距離を置き、発想の転換を図る。

 練られた構想は今年5月、ロシア南部ソチであった首脳会談で「新たなアプローチ」としてプーチン氏に提案された。9月に極東ウラジオストクで再び会談し、このアイデアの詳細について意見が交わされた。

 帰国後の首相は交渉進展への自信を隠さなかった。「交渉を具体的に進める道筋が見えてくるような手応えを強く感じた」(9月27日衆院本会議)。政府内には、プーチン氏が「平和条約締結後の歯舞、色丹引き渡し」を明記した日ソ共同宣言(1956年)に言及したことから、少なくとも「2島返還」が実現するとの観測が広がった。与党内では「領土問題進展で首相が衆院解散に打って出る」との「北方領土解散」がささやかれ始めた。

 だが、期待は11月のペルーでの会談で雲散霧消する。ロシア側は予想以上に強硬な姿勢を示し、会談の後、首相は「そう簡単な課題ではない。一歩一歩、山を越えていく必要がある」と慎重な言い回しに転じた。

 ペルー会談の前にあった米大統領選では、プーチン氏に融和姿勢を示すトランプ氏が勝利し、ウクライナ問題やシリア情勢で対立してきた米露関係が改善する可能性が出てきた。米欧の制裁とともにロシア経済低迷の要因だった原油安も、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意などで懸念は後退しつつあり、ロシア側の強硬姿勢につながっていることも否定できない。

 両首脳は山口県長門市と東京で夕食会を含めて約6時間会談し、16日午後、共同記者会見に臨んだ。首相は「北方四島の未来図を描き、その中から解決策を探し出す未来志向の発想が必要だ」と呼びかけたが、プーチン氏は「1945年、ソ連はサハリンだけでなく、南クリル(北方四島)も取り戻した」と述べ、北方四島はもともとロシア領だったとの認識を示した。

 ある閣僚経験者は「ロシアは様子を見ている。今は北方領土を動かす気はないだろう」と語り、交渉難航の背景に国際環境の変化があると指摘する。一方、首相に近い自民党幹部は「首相は領土問題で進展があると本気で思っていた。それがプーチン氏の戦略だったのか、状況が変わったのかは分からない」と語った。

    ◇

 15、16両日の日露首脳会談では、北方領土問題の進展はなかった。その背景には何があったのか、そして日露両国はどこに向かおうとしているのかを探った。

日露どこへ


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