上から目線ではなく、横から目線で共に成長しようとする

上から目線ではなく、横から目線で共に成長しようとする

サーバントリーダーシップと気づき

力で支配する支配型リーダーに対して、傾聴と共感で支援する
支援型リーダーのことをサーバントリーダーという。
このサーバントリーダーシップには「傾聴」「共感」「癒し」「気づき」「納得」
「概念化」「先見力」「執事役」「成長への関与」「コミュニティーづくり」
という十の特徴がある。
今回は、サーバントリーダーにとっての「気づき」について、自分なりの
考察を述べてみたいと思う。
一つは、自分に対する気づき、それも自分の無意識な思い込みや信念への気づきと、
本当の自分のニーズへの気づきである。
もう一つは、相手への気づきである。
深い観察と傾聴がもたらす、相手への気づきは、相手の持っている本当のニーズ
に気づかせてくれる。
このニーズに触れることで、相手自身もそれに気づき、相手自らをして
行動せしめるのがサーバントリーダーの醍醐味だと考える。

思い込みによる削除、歪曲、一般化への気づき
・・・

傾聴と共感による協働のアプローチ

だからこそサーバントリーダーは、いつも自分の五感を研ぎ澄まし、
相手の呼吸やリズム、波動に合わせながら、言葉だけでなく、言葉にならない
僅かな変化にも注意を払って傾聴し、相手の世界観を尊重して、
相手との共通点を見出し、相手の中にある深いニーズに共感する。
共感からは信頼が育つ。
信頼が育てば、お互いに共振、共鳴して影響を及ぼすようになる。
この「リード」であるが、我々はリードするというとき、リーダーが答えを
持っていて、相手をその答えに導くというようなイメージを持つことがあるかも
しれない。
しかし、サーバントリーダーのそれは、サーバントリーダー自身が持つビジョンに
人々を導くというよりも、自分と人々が共通の真のニーズに気づいて、
互いに影響し合いながら、よりよいビジョンや行動を協働して共に創造していく
と言った方がしっくりくる。
サーバントリーダーは、上から目線ではなく、横から目線で共に成長しようとする
のである。

コミュニティー開発でも、傾聴、共感、信頼関係をすっ飛ばして、プロジェクト
の目標達成のために、相手の世界観を無視して、人々を動員しようとする
プロジェクトがなんと多いことだろう。
結果は、持続不可能なプロジェクトのオンパレードである。
人を本当に持続的に動かすのは、人間の普遍的で大切なニーズに突き動かされた、
真のサーバントリーダーシップだと考える。

人間の普遍的に大切なニーズへのアプローチ

気づきをもたらしてくれたものはたくさんあるが、非暴力的コミュニケーション
(NVC)もその一つで、人々に影響を与える強力なコミュニケーションツール
の一つでもある。
NVCでは、人間には普遍的に大切なニーズがあると信じている。
認めてもらうこと、受け入れられること、思いやり、共感、愛、安心、安全、
安定、信頼、理解されること、ユーモア、喜び、平和、調和、平等、美、空気、
食べ物、水、休息、成長、希望、参加、自己表現、自由、選択、独立などなど。
人はそのニーズを満たすために行動するが、そのニーズに気づいていない
こともある。
そのニーズが満たされているか、いないかは感情に現れる。
感情の奥にある自分や相手の本当のニーズに気づいたとき、
どう思いやりを持って自分や相手に接すればいいかが解る。
サーバントリーダーは傾聴によって、この普遍的な人間のニーズに
共感することで、自分や人々を動機づけ、行動を創造していく。
・・・

行動よりも自己認識にアプローチ
・・・

持続可能なサーバントリーダーシップ

持続可能なリーダーシップとは、他のリーダーや次世代のリーダーが育つ
リーダーシップである。
世界には偉大だと言われるリーダーたちが多数いたし、現在も活躍している。
しかし、多くの場合そのリーダーシップは一代限りで終わってしまう。
カリスマ性のあるリーダーであればある程、リーダーが偉大過ぎて、
誰も真似できないのである。

しかし、サーバントリーダーシップでは後継者が次から次へと生まれて来る。
人々にオーナーシップを与え、気づきを促す。
成長に関与するのである。
人々にオーナーシップを与えないトップダウンのリーダーシップは、
人々をして主体的に参加させることを断念させ、
リーダーへ完全に依存させてしまう。
後継者は育たず、そのリーダーがいなくなると人々は何をしてよいか
分からなくなる。
結果として、喪失感だけが残って、或いは自由になれたと思って、
人々はビジョンに向けた歩みを止めてしまう。

サーバントリーダーシップでは人々が自由に、主体的に参加できる土壌が育つ。
そして、人々はその土壌でオーナーシップを持って主体的に関わりながら、
たくさんの気づきを得て成長していくのである。
ある種の環境問題や再生エネルギー、差別などに取り組む人々の中に
次々と新しいリーダーが生まれてきているのはこのためだと思う。

誰にでもできるサーバントリーダー

また、持続可能なリーダーシップは、誰でもできるシンプルなものが良い。
個々人の特性を活かすことで、誰でも人に良い影響を与えることのできる
リーダーシップである。
私事で恐縮だが、四人京大の末っ子で生まれた自分はリーダーになる
なんてことは思いもよらないことであった。
今でも、自分がリーダーシップを取るなんてとんでもないと考えている節がある。
しかし、ある日、そんな自分に、アジア学院創設者の高見敏弘はこう言い放った。
「言ってしまえば家族の中で、時には子供がリーダーになるなんてことも
十分可能である。
サーバントリーダーは誰にでもなれるんだよ。」と。
この言葉にどれだけ励まされたか分からない。
また、ある時ある職員から今までリードしてくれてありがとうと言われた。
リードしたことがないと思っていた自分は、びっくりしたのであるが、
自分の良いところを使って人に良い影響を与えれば、それはもう
りっぱなリーダーシップと言える。
誰にでも取り組めるリーダーシップは、シンプルで解り易く、
どんな個性であっても、その人その人の個性が活かされ
人に良い影響を与えるものであるはずだ。
サーバントリーダーシップは、まさにリーダーなんて無理と思う人にも
簡単に始められる。

相手の世界観を尊重して傾聴することから始めればよいのだ。

参考文献 「サーバントリーダーシップ」ロバート・K・グリーンリーフ(著)
https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/262132/A000332117
・・・

以上:
荒川治「サーバントリーダーシップと有機農業普及に関する一考察」
アジア学院紀要 第3号 「ユオードー・土に生きる未来学」 2019年
より抜粋

発行所 学校法人 アジア学院 <info@ari-edu.org>   税込 800円

==

MLホームページ: https://www.freeml.com/uniting-peace

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