セカンドレイプの町「草津町議会の請願審議を傍聴して」感想

セカンドレイプの町「草津町議会の請願審議を傍聴して」感想

皆様

 こんにちは。「新井祥子元草津町議を支援する会」事務局の増田です。これはBCCでお知らせしています。重複、ご容赦を!
 会員のオーストラリアから留学中の女性から「草津町議会​の請願審議を傍聴して」という感想をいただきましたので、以下、ご紹介します。転送・転載の時はとしてくださね! 

 

それにしても来日3年で、こんな日本語文章を書けるなんて、凄いですね

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この一年間、新井祥子さんが巻き込まれている状況を愕然としたい思いで見てきました。従軍慰安婦問題について研究しにオーストラリアから東京に来ましたが、紙に書かれた資料よりも新井さんの生きた事例から学ぶことが多いという思いが強まるばかりです。

増田都子さんが事務局をされている「新井祥子元草津町議を支援する会」に参加させていただいて、先週、草津町で11日に開かれた議会を傍聴しました。傍聴したきっかけは「支援する会」が出した請願をめぐる議論が行なわれる予定だったからです。 

 

議会内での新井さんの唯一の支援者で請願書の紹介議員になってくれた中澤康治議員が見事な演説をされました。日本の男性支配社会のせいで、どれほど性暴力被害者が被害を報告することが難しくなっているかを指摘したものでした。その中で、「セカンドレイプの町、草津」という標語を何回も発言されて、男性でしか構成されていない議会が新井さんを排除したり攻撃したりするこうした状況こそが、日本社会で被害者が直面している状況全体を反映しているのではないかと強調されました。 

 

案の定、「セカンドレイプの町、草津」という標語が男性議員たちの顰蹙を買って、中澤議員は他の議員たちからのひどい攻撃と貶めを受けることになりました。「草津町の評判がその標語で落ち、町民がそれで迷惑をこうむる」という反論でした。その町民の半分が女性・少女だということはまったく配慮されなかったようです。とにかく、「中澤議員が新井さんの代理で性暴力事件を警察に通報しないかぎり、黙って従うべきだ」というのです。そして、ある議員が議会で述べた意見によると「新井さん本人が性暴力事件を警察に通報しないかぎり、その事件は町長は無実であり、彼女が嘘つきであることが証明されるのだ」と。 

 

従軍慰安婦問題をめぐる1990年代以降の歴史を考えると、草津町議会ほぼ全員が集団で行なっている新井さんへの攻撃は、日本の男性社会にとって通常通りのやり方だと思います。 

 

つまり、戦時性暴力の被害者の場合、法廷で勝たないかぎり、被害が存在しなかったり、日本は無実であったりするという論理が使われます。こういった戦時性被害が実際に下関地裁で認められているにもかかわらず、男性社会にとっては無視できる被害であるようです。 

 

男性のセクシュアリティが関わる暴力なら、戦場であっても、町長室であっても、大騒ぎに値しないもので、逆にその被害を訴える人が責められるべきだというわけです。結局、先週の草津町議会で起こったことは、「セカンドレイプの国、日本」で行なわれていることと何ら変わらず、性暴力被害者の排除・屈辱の営みであるということです。 

 

この営みは今の日本の男性支配の基盤を維持するものに他なりません。 

 

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