抗議のうねりは、日本各地に広がった。東京の首相官邸前。自公協議があった午前に始まった抗議活動は、夕方の閣議決定を過ぎて夜半まで及んだ。主催者によると、参加者は1万人規模に達したという。

「9条を壊すな」。参加者が交代でマイクを握り、官邸に向かって叫んだ。5歳の長男を幼稚園に預けて来た40代の主婦はこう呼びかけた。「いくら反対しても安倍首相の思い通りに進んでいく。やりきれない思いでこの場に来ました」。7カ月の長女を抱く神奈川県鎌倉市の会社員向山真衣さん(29)も「子どもが大きくなった時に戦争に巻き込まれる国になって欲しくない」と話した。

「閣議を中止しろ」との叫び声は午後5時半、「閣議決定」のニュースが流れると、「撤回しろ」の連呼に変わった。スーツ姿で声をからす千葉市のシステムエンジニア清水真先さん(40)は「憲法は私たち国民のものなのに」と憤った。

名古屋市の繁華街では、市民団体のメンバーら約30人が「絶対に戦争はいや」と書かれたチラシを配り、福岡市では、市民団体のメンバーらが「子どもたちを戦場に送ってはならない」と街頭で反対の署名を呼びかけた。

広島市の原爆ドーム前。抗議集会には、約600人が参加した。秋葉忠利・前広島市長が「広島は体を張り、若い世代のために頑張る必要がある」と訴えた。

福井市のJR福井駅前では、市民団体の呼びかけで集まった30人が「日本は戦争をする道に入った」と抗議の声を上げた。終戦直前の福井空襲で母親を亡くした元銀行員の山野寿一さん(77)は「若い人に私と同じ悲しい思いをさせたくない」。今後、関連法案の審議もある。あきらめずに反対運動を続けるという。