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2014年8月6日
「政府予算の概算要求の各大臣への説明は1回限りにさせて欲しい」
先月末、まだ安倍首相らが内閣改造の時期を模索していた頃、財務省幹部は政権中枢メンバーにそう通達したという。
発言の意味するところは、内閣改造を断行するなら、予算に口を挟めるのは新旧両大臣のいずれか1人だけ。半数以上の大幅入れ替えをもくろむ安倍政権に「大臣交代でムダな手間を取らせるな」とクギを刺し、「予算編成のイニシアチブは俺たちが握る」という強気の姿勢もうかがえる。
財務省幹部が一種のサボタージュに打って出られるのは、それだけ安倍政権をナメてかかっている証拠だろう。
「集団的自衛権のゴリ押しで、内閣支持率は軒並み50%を割り込み、不支持率との逆転も時間の問題となってきた。機を見るに敏な霞が関官僚は“今がチャンス”とばかりに、陰りの見えた安倍内閣に高い要求を突き付け、政権運営の主導権を得ようとしています」(霞が関事情通)
官僚たちの抵抗に遭って安倍周辺は一時、8月中旬の改造に踏み切り、新大臣に概算要求を仕切らせることを検討したが、安倍の外遊や夏休みの都合から9月第1週に落ち着いた。概算要求の締め切りは8月末日。その後に改造人事を行えば、新旧両大臣の意向は共に反映しづらい。そして出てきたのが「上限なき予算編成」という霞が関のやりたい放題だ。
安倍は「経済再生と財政健全化を両立するメリハリの付いた予算にする」と息巻き、公共事業など裁量的経費の10%、約1.5兆円の歳出削減を指示した。これも霞が関が「政治主導」をお膳立てしたようなものだ。
「歳出削減に従いつつ、官僚たちは『新しい日本のための優先課題推進枠』なる予算の特別枠を設けました。事業対象は『成長戦略』や『地方活性化』など政権の眼鏡にかなうものだけ、というのもタテマエ。削減事業の焼き直しを潜り込ませるための“抜け穴”づくりとしか思えません」(霞が関事情通)
かくして一般会計の要求総額は初めて100兆円突破が確実視されている。1000兆円以上の借金を抱えながらの放蕩予算は「長期政権のため、それでも霞が関を味方につけたい」という、安倍の悪あがきとみるべきだ。
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