基地隠しで名護市長選勝利 安倍政権を苦しめる公明党の恩

バンザイは公明支援者のおかげ(C)日刊ゲンダイ
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 予想以上に大差がついた。沖縄・辺野古基地新設を争点に横一線の激戦を繰り広げてきた名護市長選挙が4日、投開票され、新設反対派で現職の稲嶺進候補(72)が敗北。自民・公明・維新が推薦した新人の渡具知武豊候補(56)が3458票差で勝利した。8年ぶりに反対派から市政を奪還したとはいえ、自公の選挙戦はムチャクチャだった。

この秋の沖縄県知事選の「前哨戦」と位置付けた安倍政権は、何が何でも勝とうと告示前から総力を挙げてきた。昨年末には菅官房長官が現地入り。「名護東道路」の全面開通の1年半前倒しなど新たな振興策を約束すると、告示直前に現地を訪れた二階幹事長も「土地改良事業」の名目でロコツなバラマキ。この旧態依然の土建選挙が「“お上”に従った方が」と、反対派市民の間に漂う諦めムードをさらに刺激し、功を奏した格好だ。

しかも、自民は選挙演説で「基地隠し」を徹底。渡具知候補本人は最後まで辺野古移設への賛否を明確にせず、応援に入った国会議員は誰も基地問題に触れなかった。

「推薦を取りつけた公明党県本部への配慮ですよ。もともと沖縄の公明党は基地新設に反対の立場で、前回も自主投票。公明票を取り込むため、渡具知陣営は基地問題への深入りを避けたのです」(地元関係者)

徹底した「基地隠し」の一方で、自民が稲嶺市政への攻撃材料に用いたのが「ごみ」「パンダ」「清宮」の3点セット。典型例が選挙中に2度応援に投入された小泉進次郎筆頭副幹事長のマイクパフォーマンスだ。

進次郎氏はまず「ごみの分別、大変ですね。聞いてビックリしましたよ、16分別」と名護市のごみ分別の多さを批判。その後は「パンダもいいけど」と稲嶺陣営が公約に掲げたパンダ誘致を話のマクラに、今年からプロ野球・日本ハムの名護キャンプが期間短縮された話題に矛先を向けた。

「清宮幸太郎さんが来たら全国から人があふれていた。なぜキャンプの拠点として、(球団から)求められていた球場の改修を含めて、もっとスピード感を持ってやれなかったのか。やれば地域の観光、飲食、宿泊、いろいろなことで地元の経済効果はもっともっと潤うはずです」

■組織力発揮の公明沖縄は「国外・県外移転」を要求

自民は基地の押しつけよりも「ごみ分別」や「清宮」が大事なのか――。それでも結果は、最大の争点をぼかした渡具知陣営の勝利。それだけ今回は推薦に回った公明党のパワーが絶大だった証拠でもある。

「今回の投票率は76.9%。うち期日前投票は44.4%にも上りました。1月の南城市長選を落とし、組織力に勝る自公両党が期日前投票をしゃかりきに呼び掛けた結果でしょう。特に公明は独自のネットワークを駆使し、盛んに知人らを動員したようです。国政レベルで党勢に衰えの見える公明が、生き残りをかけて連立相手の自民に恩を売ったわけです。渡具知氏に当確が出た後、公明党県本部の金城勉代表は報道陣に『米海兵隊の県外・国外移転を求める』『日米地位協定の改定も求めていく』と白々しく答えましたが、とんでもない二枚舌です」(現地を取材するジャーナリストの横田一氏)

安倍政権は直近の民意を得たとして、辺野古工事を加速させるに決まっているが、票欲しさに基地問題をごまかし、ホンネは基地新設反対の公明支援者を取り込んだことで、今後は「同床異夢」のツジツマ合わせに悩まされることになる。

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